山田風太郎推理帖 01/01/09 最新更新05/12/26
光文社文庫 山田風太郎ミステリー傑作選の全収録作品紹介
出来ればすべてに寸評を入れたいのだが。
1 眼中の悪魔 本格編 09/04/22再読
2 十三角関係 名探偵編 09/04/23再読
3 夜よりほかに聴くものなし サスペンス編 09/04/24再読
4 棺の中の悦楽 悽愴編 09/04/25再読
5 戦艦陸奥 戦争編 09/04/26再読
6 天国荘奇譚 ユーモア編 09/04/27再読
7 男性周期律 セックス&ナンセンス編 09/04/28再読
8 怪談部屋 怪奇編 09/04/29再読
9 笑う肉仮面 少年編 09/04/30再読
10 達磨峠の事件 補遺編 09/05/01再読
出版芸術社 山田風太郎コレクション 02/03/02入手
これも全収録作品を紹介。
悪霊の群 出版芸術社
高木彬光氏との合作で二人の名探偵、神津恭介と荊木歓喜が競演する。
扶桑社文庫 「妖異金瓶梅」
一連の流れを持って展開する短編群。単に十分推理小説としても読めるが、これは中国四大奇書の一つ金瓶梅をベースにしていると言う点でも異色である。
廣済堂版に無かった「銭鬼」と「邪淫の烙印」の原型である「人魚燈籠」を収録した完全版。(02/10/23入手)
改めて読むと、潘金蓮は山風作品中最高の魔女ですね。(09/11/06)
角川文庫 「おんな牢秘抄」
大岡によって有罪にされた女囚達が、その娘の追跡調査で無罪放免になる。大岡裁きを揶揄するような話だが、その趣向はホームズ物である「黄色い下宿人」にも通じる。風太郎式の捕物帖。推理小説は苦手だとか良いながらこういう作品を書くんですから。評価が低いのはミステリーに関して自信が無いからでしょう。
雲霧仁左衛門が獄門にされたと言う記述が出てくるので、年代特定を躊躇っていたのですが、どうやら架空の存在らしいので安堵しました。
さて、再読して思ったのは、あの名奉行が娘の行動に全く気付かなかったのかと言う事。そもそも、最初の条件である六人の女囚。あれが最後に一つの謎に直結する事から考えて、すべて計算通りだったのでしょう。
霞姫と主水介をベストカップルに挙げましたが、より正しくは霞姫が自分の中での理想の妻像なんですね。でも、大岡越前を岳父に持つのはちょっと辛そう。そこだけマイナス。
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