3 夜よりほかに聴くものなし サスペンス編
結構救いのない話が多い。この読後感のもやもやが山風調。
「鬼さんこちら」(「天使の復讐」集英社文庫にて初読)
不作為の勝利。
「目撃者」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)
一度目は悲劇、二度目は喜劇と言いますが…。
「跫音」(本文庫にて初読)
世間さまとは…。
「とんずら」(山田風太郎傑作大全12「赤い蝋人形」廣済堂文庫にて初読)
飛んで火にいる…。
「飛ばない風船」(「天使の復讐」集英社文庫にて初読)
完全犯罪はどこで壊れたか。
「知らない顔」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)
誰も被害者はいない。
「不死鳥」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)
山風版「藪の中」。果たして真相は如何に?
「ノイローゼ」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)
殺意が動機を生む。
「動機」(本文庫にて初読)
殺人の連鎖。
「吹雪心中」(本文庫にて初読)
結果と過程の悲壮な食い違い。
「輪」(本文庫にて初読)
善意から発した悲劇。
「寝台物語」(山田風太郎傑作大全6「天国荘奇譚」(廣済堂文庫)にて初読)
復讐の末に…。
「夜よりほかに聴くものなし」(山田風太郎傑作選8(廣済堂文庫)にて初読) 評価A
相互の関連性は無いが、探偵役は共通。いわゆる社会派ミステリーで、ラストがすべて同じ台詞で終わるという凝った構成である。
解説・辻真先