1 眼中の悪魔 本格編

 本格に分類される話が全十巻の内一巻に纏まるところが、やはり推理畑の人でない証拠かも知れない。とは言え、ラインナップは秀作ばかりである。

「眼中の悪魔」(「逗子家の悪霊」ハルキ文庫にて初読)

 この前に懸賞に通った「達磨峠の事件」と先に出版された「みささぎ盗賊」が有るが、この作品が実質的な処女作と言って良い。初めての著作の表題作となった。第二回日本探偵作家クラブ賞短編部門を受賞。

「虚像淫楽」(「逗子家の悪霊」ハルキ文庫にて初読)

 新人探偵作家の競作コンクールで読者投票により一位を獲得した。初めての著作に収録され、上記作品と共に第二回日本探偵作家クラブ賞短編部門を受賞。氏はこちらの方がましだと言っている。

「逗子家の悪霊」(「逗子家の悪霊」ハルキ文庫にて初読) 評価C

 短い中に詰め込みすぎの嫌いあり。改稿癖のある横溝正史なら間違いなく長編に書き直しているだろうけど。

「笛を吹く犯罪」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)

 構成の妙?

「死者の呼び声」(「逗子家の悪霊」ハルキ文庫にて初読)

 小説の中で手紙を読んで、その中で更にという、構造上のおもしろさがある。でもやはり落ちが山風らしくて良い。

「墓堀人」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)

 誰が(Who done it)やどうやって(How done it)では無く、何故(Why done it)が問題と成っている作品。

「恋罪」(廣済堂文庫山田風太郎傑作大全6「天国荘奇譚」にて初読)

「黄色い下宿人」(明治小説全集14にて初読)

 ホームズ物のパスティーシュ。これが何故明治モノに入っているかと言えば…。

「司祭館の殺人」(講談社大衆文学館「山田風太郎奇想ミステリ集」にて初読)

 上がホームズなのに対し、こちらは…。

「誰にでも出来る殺人」 評価B

 山田風太郎傑作大全4「誰にでも出来る殺人」(廣済堂文庫)にて初読。

 一連の流れを持って展開する短編群。最後の結末が実に辛辣でよい。

解説・山前譲

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