9 笑う肉仮面 少年編

 殆どが単行本未収録作品なので、全て所見。唯一の単行本化作品である表題作は古書で二十万の値が付いたそうである。ひょっとすると今までで一番お買い得な一冊かも。

「水葬館の魔術」

 推理を展開するのが少年ですが、充分に本格物です。

「姿なき蝋人」

 八巻収録の「蝋人」の少年向けバージョン。

「秘宝の墓場」

 時代物に同一ネタ(「みささぎ盗賊」)あり。

「魔船の冒険」

 少年モノの定番の一つ、海洋冒険モノ。

「なぞの占い師」

 少年名探偵。

「摩天楼の少年探偵」

 少年名探偵、前作に引き続き登場。

「魔の短剣」

 作者らしいトリック。

「魔人平家ガニ」

 山風版「ドラキュラ」。道具立てに多少の工夫が見られる。

「青雲寮の秘密」

 「天国荘奇譚」のジュブナイル版。第二回が抜けていたが、読者からの情報で欠落部分が十巻に収録されている。

「黄金明王のひみつ」

 少年モノの定番の一つ、宝探しモノ。

「冬眠人間」 (中学時代二年生版)

 三つある同一タイトルの一つ。八巻に一般向けの物が収録されている。

 一般向けを読んだ上でこちらを読むと一段と趣深いかも。

「暗黒迷宮党」

 少年モノの定番の一つ、悪の秘密結社モノ。

「なぞの黒かげ」

 少年モノの定番の一つ、悪の秘密結社モノ。

「冬眠人間」 (少年クラブ版)

 三つある同一タイトルの一つ。八巻に一般向けの物が収録されている。

 長編バージョン。

「笑う肉仮面」

 同一ネタが歓喜探偵ものにも見られるが、原型はユゴーらしい。

 少年物の分、読後感は爽快である。

解説・二上洋一

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