裏情報

ア行

エグレモント,チャールズ ◎公開情報◎

 その娘シビルが送った脅迫めいたメールに恐怖感を覚え、バイロン首相の死後にゴールトン卿と提携してラッダイト狩りを始めるが、オリファントがもたらしたシビルの証言により55年末に失脚。

オリファント,ローレンス ◎公開情報◎

 外務省特別局所属、要するにブリテン政府の秘密工作員。実際に彼の動きを詳細に追うとネタバレになってしまう。

 フランスに旅立つ前夜のヒューストンを訪問し意図的な混乱を植え付けた。将軍と宣伝係とに生じた敵意を見て取る。

 フォークの雇った私立探偵に襲われたマロリーを助け、フレーザー警部を紹介する。警部が西インドドッグで逮捕したキャプテン・スウィングから情報を引き出した後始末したと思われる。

 ゴールトン卿と組んで政治テロに走るエグレモントを止めるため、渡仏しシビルの協力を証言を取り付ける。帰国後病に倒れたため、客の森有礼氏をメッセンジャーに立てる。

 モーダスをキーツに渡して調査を依頼する。その価値を最後まで理解できなかった。

カ行

ゴーチェ,テオフォル(1811〜1872) ◎公開情報◎

 シビルより提供されたモーダス大ナポレオンで走らせて、その機能を狂わせてしまう。

 モーダスはその後フローラ・バーテルと名乗るアメリカ人女性に持ち去られる。

ゴールトン,サー・フランシス ◎公開情報◎

 マロリーラドウィックに大陸での武器の密輸を条件に資金を援助した黒幕。バイロンの死後、エグモント議員と組んで中央統計局を支配下に置く。

コリンズ,ウィリアム=キャプテン・スウィング ◎公開情報◎

 悪臭の日に西インドドックに潜入したフレイザー警部により逮捕され、貴重な供述を行う。

☆かの詩人ウイリアム・コリンズとの関係は不明。

サ行

ジェラード,シビル ◎公開情報◎

 将軍の部屋の鍵を手に入れる際に、受付の注意を引きつけるためにエグレモントに打った思い切った内容の電報が後で思いがけない事態を引き起こす。ミック=ラドリーが取られたキノカードを取り返す為にヒューストンの部屋に忍び込み、暗殺未遂事件を目撃する。

 ミックの持っていた切符でフランスへ渡った後、テオフォル=ゴーチェと知り合い、彼のクラッキングでフランス国籍を得る。その際にモーダスを彼に提供する。

タ行

ナ行

ナポレオン三世 ◎通常情報◎

 作中では一貫してルイ・ナポレオンと呼ばれナポレオン三世という呼称は使われていない。しかし、地図にはフランス帝国と有り、フランス人であるアルスロー警部も我らが皇帝と読んでいるので皇帝になっていることは確実である。

ハ行

バートレット,フローレンス=ラッセル ◎公開情報◎

 フローラ・バーテルと名乗ってフランスに潜伏中にモーダスを盗み出しロンドンへ舞い戻る。コリンズと組んでレディ・エイダからモーダスの使い方を聞き出そうとしたが、居合わせたマロリー博士に邪魔される。

 フローラ・バーネットの名でマンハッタン女性赤色パントマイムへの出演が確認されている。またバートン博士の名で”大悪臭”の最中、西インドドックでアジ演説を行う。

 レディ・エイダからの情報でモーダスを回収したが、逃走の際に隠し持っていた硫酸を自分で浴びて死亡した。

バイロン,エイダ (1815〜1852) ◎公開情報◎

 モーダスに関する推論をミック=ラドリーに話す。

 パリでモーダスを手に入れたバートレット夫人はその使い方を彼女に訪ねたのだと思われる。その際に居合わせたマロリーにモーダスの入った箱を預ける。

 モーダスの隠し場所を知らせるマロリーよりの手紙を夫人に渡して負債を帳消しにする。

バイロン,ジョージ=ゴードン男爵 ◎公開情報◎

 妻の仲介でバベッジと引き合わされたバイロンが全く国外へ出なかったとも読めるのだが、その間に書かれた作品が無くなるのももったいないし、その間の人脈も捨てがたいので、22年の義母の死によって復縁した事にする。

ヒューストン,サミュエル ◎公開情報◎

 講演会でのシビルコーニィのお芝居で意気揚々となった彼はミック=ラドリーに作らせた講演用のキノカードを複製して彼をお払い箱にしようとする。

☆史実では南部への忠誠を拒否して知事を罷免されているが、こちらの歴史ではむしろ南部より(より厳密にはその後ろ盾であるブリテンより)の態度が見える。南北戦争の争点が単に奴隷解放で無いことを示している。

ピンカートン探偵社 ◎公開情報◎

 オリファントは一部の特別公安局が主張する古典的威圧手段を差し止めてわざと泳がせて利用しようとしている。

 サム・ヒューストンの動静に好奇心を示し、その田舎での地所で自ら強盗を働く。またその宣伝担当のマイケル・ラドリーを尾行する。

 またマンハッタン女性赤色パントマイムの公演に現れたところを目撃されている。

マ行

マロリー家の兄弟

 上から順にエドワード(長男)、アーネスティーナ(長女・既婚) アガサ(次女・既婚) ドロシー(三女・不明) ブライアン(三男) マデリン(四女・22歳未婚) トマス(四男・19歳) ルース(五女・17歳未婚)。

 次男マイクルが何番目にはいるかが不明。 

マロリー,エドワード(ネッド) (1825〜1908,4/12) ◎公開情報◎

 自由貿易委員会の説得を受けてシャイアン族に武器の供与を行い、発掘への協力を取り付ける。だがこの行為がオリファント氏の注目を惹く。この事が直接彼の身に危険を及ぼした訳ではないが、氏の助力が博士のその後の危機をに際して生きてくる。

 シリングフォード仕込みの科学的ボクシングでレディ・エイダを暴漢から救い、モーダルの保管を依頼される。彼はそれを自身が発掘した雷竜の頭部に隠した。

 悪臭騒ぎで講演会は流れたが、彼は激変説に基づく解析を発表しようとしていたから、これは中止になってむしろ幸いであったかも知れない。

モーダス ◎公開情報◎

 反復計算により近似解を発生させる公式。計算終了まで無限とも思えるループが必要なため、さしもの大ナポレオンですら手に負えなかった。これを走らせるためには高性能なディジタル・コンピュータの登場が必要となる。

 最後に手に入れたオリファントはその異議が全く判っていなかった。レディ・エイダも数学的素養のないバートン夫人にこれを説明するの気が起きなかったのだろう。わざと誤解させて借金を帳消しにしてしまおうという意図があったのかも知れないが。

ヤ行

ラ行

ラドウィク,フランシス ◎公開情報◎

 テキサスでの発掘作業の裏で自由貿易委員会の指示通りコマンチ族に武器を密輸。これが殺害の理由となった。

ラドリー,マイケル(ダンディ・ミック) ◎公開情報◎

 死の前年、八月に二度ほどレディ・エイダと話し合いを持ち、その推論からモーダスの本来のヴァージョンを生み出す。

 モーダスを最新の圧縮テクニックを使ってナポレオン規格セルロースに移し、一足先にパリへ郵送する。彼はこれを大ナポレオンで走らせてその結果をバベッジ卿へ売り込む積もりだったらしい。

ワ行