探偵小僧の事件簿 第二稿

 探偵小僧こと御子柴進の事件簿。角川文庫緑304と論創社横溝正史探偵小説選Uを元データとして作成しています。(創論社のVはまだ未読)

 少年モノの年代特定は難しいです。時系列に並べるだけなら良いのですが、具体的な年代となると、発表期間の幅が難点になります。主人公が少年であるが故に、年代を広く取れないのです。よって、金田一もので用いた手法(事件年は発表年より前)は使えません。

 探偵小僧モノは三津木や由利先生が金田一に改変されているものがありますが、元の由利・三津木モノとして扱っています。(注釈は下記年表内にリンク有り)

昭和27年

 新日報社社長池上三作、大和製鉄の社長安藤の紹介で音羽の邸宅を購入。建築家宮本忠吉が秘密の抜け道を作っていた。(「まぼろしの怪人」・「鉄仮面王」)

昭和31年

「幽霊鉄仮面」

 唐沢雷太の遠縁として登場。三津木俊助と初対面であることから最初の事件と確定。

 由利先生が帰国して捜査に加わる。(鉄仮面の言動からすると外国に行っていたらしい)(由利先生の邸宅が麹町である点が重要)

 時期は不明だが、等々力警部が登場することから彼の手が空いていた9月と推定。

昭和32年

「夜光怪人」

 事件は2月に始まり、4月には中学三年生となる。探偵小僧の熱心な懇願で由利先生が出馬する。(角川版では金田一耕助に変更されているのだが、内容の問題から改作前の由利先生の事件として扱う)

昭和33年

「白蝋仮面」

 新日報社に入社したばかりの5月。

「なぞの十円玉」@「怪盗X・Y・Z」第2話

 姉の美智子(22歳)が登場。

 6月。ギザギザの無くなった10円玉が問題となるが、翌34年から10円玉のギザギザが無くなる。

 *現行の百円硬貨(白銅貨)は42年発行だが百円銀貨は32年に発行されている。

「真珠塔」

 入社一年目の8月

「社長邸の怪事件」@「まぼろしの怪人」第1話

 入社年のクリスマス

 池上社長邸の抜け穴

昭和34年

「黄金魔人」

 ことし中学を出た。昨年12月から2月まで。

 黄金魔人、いろは順に16歳の少女を次々に襲う。(襲われた一人が探偵小僧の同級生)

「青髪鬼」

 今年中学を出た。3月(月岡ひとみの誕生月)。再び現れた白蝋仮面爆死する。

「魔の紅玉」@「まぼろしの怪人」第2話

 3月 まぼろしの怪人が奪ったアリ殿下のルビーを取り返す。

「救いをもとめる電話」@「姿なき怪人」第1話

 吾妻早苗殺害。姿なき怪人最初の犯行。

「消えた怪盗」@「怪盗X・Y・Z」第1話

 昭和3X年5月と明記。

「怪屋の怪」@「姿なき怪人」第2話

 一昨年春入社。

 6月 板垣博士よりお使いを頼まれる。

「まぼろしの少年」@「まぼろしの怪人」第3話

7月(両国の川開き) 謎の美少年が落としたダイヤからまぼろしの怪人を捕縛。

「獣人魔島」

 8月。既に実績を上げていることから入社二年目以降。

「双子の運命」@「姿なき怪人」第3話

 昭和34年8月と明記。(全体の年代特定はここを起点とする)

 帰国した板垣博士の双子の姪姉妹誘拐される。

「ささやく人形」@「まぼろしの怪人」第4話

 9月 まぼろしの怪人脱獄。新日報社主催の防犯展覧会に現れる。

「黒衣の女」@「姿なき怪人」第4話

 11月 早苗の友人中川珠美帰国。

「大金塊」@「怪盗X・Y・Z」第3話

 11月 進藤英吾殺人事件。

昭和35年

「おりの中の男」@「怪盗X・Y・Z」第4話

 3月。

「風船魔人」

 4月半ば 風船魔人の最初の実験。

 5月25日 二回目の実験。

 6月25日 三回目の実験。

 7月25日 四回目の実験。

 10月下旬 空魔団活動開始。

 11月10日 探偵小僧、風船魔人の正体を暴く。

「鉄仮面王」

 月は不明だが社長宅の抜け穴の存在が既に明らかになっている(と考えられる)ことから「まぼろしの怪人」よりも後。また三年前の事件を御子柴が知らないことからこれより後ではあり得ない。

昭和36年

「蝋面博士」

 三津木俊助(角川版では金田一)アメリカ出張で不在。5月に帰国。

 1月から10月まで。 

緑304版少年モノ

 由利先生の事件年譜三津木俊助の事件年譜

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