家康編・後段
慶長十六年(承前)
04/02 高台院湖月尼公、京都三本木の邸宅に親豊臣系大名七人を招き、太閤の遺産を示した絵図の解読を依頼。(幻妖桐の葉おとし)
04/06 高家・吉良上野介義彌、二条城松の廊下にて浅野弾正長政に刃傷。現場に居合わせた上杉家千坂兵左衛門、罪を被って切腹。浅野家家老・大石内蔵助良勝、祇園で遊び呆けて主君の介添えを忘れる。(叛旗兵)
04/07 浅野長政、没。65歳(誕生:天文16(1547))。長政、絵図の謎を解析中、謎の矢に撃たれ絶命。(幻妖桐の葉おとし)(新暦1611/05/19)
04/12 後陽成院の第三皇子、後水尾天皇即位。(叛旗兵)
06/04 真田昌幸、没。65歳(誕生:天文16(1547))。木の目峠にて落馬?。(幻妖桐の葉おとし)(新暦1611/07/13)
06/17 堀尾吉晴死亡。大坂城にて絵図の検討中、落石に当たる。(幻妖桐の葉おとし)
06/24 加藤清正、没。50歳(誕生:永禄5(1562)/06/24)。毒殺。(幻妖桐の葉おとし)(新暦1611/08/02)
浅野幸長、上杉家への報復に関して高台院に相談を持ちかけ、やるなら浅野家に傷が付かないように裏でやれと忠告される。本多長五郎、この会談を盗み聞いた九度山者を始末。長五郎は清正の死に言及しているから、二十四日以降。(叛旗兵)
夏 伝心月叟、「桐の葉おとし」の犯人を指摘する。なおも犯行を諦めない犯人に対し、豊家の楯となる事を宣言。(幻妖桐の葉おとし)
夏 武蔵、軍学者・北条安房守の仲介で将軍家の剣法指南役を得るべく運動を繰り広げる。(武蔵忍法旅)
八月 柳生の剣士、主君を失って動揺する堀尾、加藤両家に潜入、豊臣派家臣を始末する。(嗚呼益羅男)
秋頃 小次郎、武蔵との対決を想定し、服部家で対武蔵用の秘剣・燕返しの修練に励む。(武蔵忍法旅)
十一月下旬 佐々木小次郎、細川家のために斑鳩太夫をさらおうとするが、蒲生の横槍を受けて遁走。蒲生秀行、太夫に化けた伽羅姫をさらう。十日経って師走に入る。(叛旗兵)
十一月末頃 本多正信、土井利勝を己の後継と見込み、徳川家守護の方策を相伝する。(忍者本多正信)
12/07 一乗寺下り松にて、蒲生・浅野連合軍と直江四天王激突。本多長五郎、現れてこれを止める。長五郎、武蔵に小次郎の成敗を命じる。伽羅、素性を明らかにした左衛門に別れを告げ実父の元へ帰還。(叛旗兵)
慶長十七年 壬子 十月閏
初春 武蔵、傾城屋にて柳生の剣士三人を斬る。小次郎、武蔵に小倉での対決を申し渡して九州へ去る。(武蔵忍法旅)
幕府への仕官が正式に見送られた武蔵は小次郎との決着を付けるため小倉へ向かう。(武蔵忍法旅)
03/21 本多正純の家臣でキリシタンの岡本大八が、大久保長安の裁定で、詐欺の罪で火あぶりの刑に処せられる。家康はこの事件を契機についにキリスト教の禁止を命じる。(新暦1612/04/21)
04/13 佐々木小次郎と宮本武蔵の巌流島の決闘が行われる。武蔵が小次郎を倒す。(新暦1612/05/13)細川忠興次男・長岡与五郎、舟で帰投途中の武蔵に挑むが敗れる。(剣鬼喇嘛仏)
四月半ば 長安、考案した機械兵器を家康に披露。(銀河忍法帖)
四月下旬 長安、佐渡へ出発。(銀河忍法帖)
05/14 蒲生秀行、病没。30歳(誕生:天正11(1583))。会津藩主。(新暦1612/06/13)
大久保長安、佐渡で中風に倒れる。(銀河忍法帖)輿に担がれて帰還する。(忍法封印いま破る)
夏 小野派一刀流の剣士団、主君を失って動揺する有馬、蒲生両家に潜入、反徳川分子をを始末する。昨年の柳生一門と同様の任務だが、こちらの方が大名が小物くさいのは当主の政治力の差か。(嗚呼益羅男)
夏 但馬山中。大久保長安の子息・雲十郎、生きていた島左近と出会い、三成の遺児狭霧姫との婚礼を持ちかけられる。(山童伝)
秋 江戸における六方者の首領大鳥一平、処刑される。(忍法八犬伝)
十月頃 長岡与五郎、質子として江戸に向かう途上姿を消す。(剣鬼喇嘛仏)
庄司甚右衛門、遊郭の設置を幕府に陳情。(銀河忍法帖)
長安、本多佐渡守に探られていることを知り、研究資料を真田のくノ一に渡す。くノ一、本多の忍者と相打ちになる。(銀河忍法帖)
慶長十八年 癸丑
01/25 池田輝政死す。(幻妖桐の葉おとし)
04/25 大久保長安没す。(忍法封印いま破る)
07/09 長安遺児・家臣処刑される。(忍法封印いま破る)
新暦七月 イギリス船平戸に碇泊。転び切支丹の娘お千絵、船室のキューピットを抱いたヴィーナスの絵を、キリストを抱いたマリアだと思いこみ信仰に立ち返る。(邪宗門仏)
07/29 クララお千絵、刑死。船長、船室の絵がマリアとキリストに変わっていることに驚愕する。(邪宗門仏)
08/12 大盗・向坂甚内処刑。(忍者向坂甚内)
夏 半蔵正重、大久保長安に連座して放逐される。(忍者服部半蔵)
08/25 浅野幸長死す。(幻妖桐の葉おとし)
09/09 徳川竹千代、里見家の家宝「伏姫の玉」を所望。安房守、翌年の重陽の日に、竹千代元服の祝賀として献上すると約束する。(忍法八犬伝)
12/06 江戸から駿府に向かっていた徳川家康一行が相模中原に到着したところ、馬場八右衛門という老人が、大久保忠隣が叛意を持っていると訴える。(新暦1614/01/15)
12/23 幕府、キリスト教を禁止す。(定本 武江年表)
慶長十九年 甲寅
早春 長岡与五郎、小倉に舞い戻る。(剣鬼喇嘛仏)
01/19 徳川秀忠の側近大久保忠隣が所領没収、近江配流を言い渡される。これにより家康の側近本田正信・正純父子の力が強まる。(忍法八犬伝)
一月中 小幡勘兵衛、西田屋にて織田有楽斎と大坂入りについて密談。(忍法八犬伝)
二月 本多佐渡、「伏姫の玉」が奪還されている状況を憂い、献上の日を三月三日に早める。(忍法八犬伝)
03/03 里見安房守室・村雨、大叔父大久保彦左の先導で八玉を献上。(忍法八犬伝)
三月 高田築城開始。(七月に竣工)(倒の忍法帖)
四月 方広寺の鐘が鋳られる。(忍法天草灘)
05/07 片桐且元が駿府に下り、秀頼による大仏殿供養を家康に告げる。(甲賀忍法帖)
05/20 前田利長死す。(幻妖桐の葉おとし)
夏 本多佐渡、茶屋の屋敷にて五山衆と密会。方広寺の鐘銘に関する知恵を授かる。(慶長大食漢)
10/05 長崎にて八人のキリシタン殉教。(忍法天草灘)
長岡与五郎、武蔵が大阪城にいると知り、再戦を望んで大坂へ向かう。(剣鬼喇嘛仏)
11/15 大坂冬の陣開始。
荘吉、大坂と講和して堀を埋める作戦を思い出し、家康に進言する。(江戸にいる私・出版芸術社版)
12/19 徳川と豊臣の講和がなる。千代子、荘吉のピストルを持って講和使節に加わっていた木村重成と共に大坂城へ入る。(江戸にいる私・出版芸術社版)
12/28 今川義元の長子氏真、七十七歳にて大往生。(姦臣今川状)
慶長二十年/元和元年 乙卯 六月閏
04/26 豊臣方の軍勢が郡山城を包囲し、落城させる(大坂夏の陣開戦)。武蔵、開戦の混乱に乗じて姿を消す。(剣鬼喇嘛仏)(新暦1615/05/23)
五月 小野次郎右衛門、敵中に再び師一刀斎を発見。師を救わんとして再び閉門となる。落城直前とあるので。(死なない剣豪)
05/06 千代子、木村重成より千姫救出の依頼を受ける。(江戸にいる私・出版芸術社版)
05/08 大坂城落城。豊臣秀頼自害。千代子、千姫を道連れにしようとする淀殿を撃つ。荘吉、千姫を手込めにしようとしてピストルで撃たれる。居合わせた坂崎出羽守、千姫を城外へ連れ出す。(江戸にいる私・出版芸術社版)湖月尼公、大坂炎上を見て哄笑。(黒百合抄)
5月 豊臣秀頼の遺児・国松が京中引廻しのうえ六条河原で斬首の刑に処せられる。その妹は、東慶寺の住持となる。(柳生忍法帖)
06/06 長岡与五郎興秋、本家の命令で自害。(剣鬼喇嘛仏)
07/13 「元和」に改元。
七月 家康と千姫、秀頼の胤を孕む真田のくノ一を巡って敵対する。(くノ一忍法帖)
秋 長宗我部盛親の妾・丸橋、鷹狩り中の家康を襲撃。その後千姫と会い、その侍女の孕む秀頼の遺児に忠誠を誓う。(くノ一忍法帖)
秋 正信、土井大炊頭利勝を見込んで子飼いの根来忍者の姉弟を託す。(忍者本多正信)
冬 頼宣、千姫一行を匿って駿府城下へ伴う。(くノ一忍法帖)
元和二年 丙辰
冬 又右衛門の長子・七郎(後の十兵衛)、姉お万に懸想する門人・曳馬玄馬をやり込める、玄馬、お万を手込めにしてでも手に入れると決意する。(伊賀の聴恋器)
01/20 頼宣、家康に千姫の赦免を嘆願する。この行為が父の逆鱗に触れ、約束されていた駿河百万国を反故にされる。(くノ一忍法帖)
01/21 大御所家康、夜半に発病する。茶屋の食べっぷりに引きずられ思わず大食したのが原因。(慶長大食漢)千姫の侍女・由比、命と引き替えに秀頼の遺児を生む。後の由井正雪?(くノ一忍法帖)
01/23 丸橋の方、盛親の遺児を生み、絶命。後の丸橋忠弥?家康、秀頼の遺児を抱く千姫を見て敗北を認め許しを乞う。(くノ一忍法帖)
三月 家康、土井利勝に「天職」を終えた正信の謀殺を遺命される。(忍者本多正信)
04/17 家康、駿府城にて卒す。七十五歳。遺命により神式を持って久能山に葬る。(定本 武江年表)