秀吉・立身編
天文三年
05/12 織田吉法師(織田信長)が織田信秀の3男として勝幡で誕生。(新暦1534/06/23)
新暦八月十五日 聖母被昇天の日。ザヴィエル等七人の同志、巴里モンマルトルの殉教者の丘に集って清貧、童貞、エルサレムへの巡礼を聖父ロヨラに誓う。イエズス会の創設。(スピロヘータ氏来朝記)
天文五年
01/01 芦名兵部景光に双子の男子(兵太郎=後の天海僧正、法太郎=後の芦名銅伯)生まれる。同日、後の太閤秀吉が生まれる。(柳生忍法帖)秀吉には翌年生まれたと言う説もありますが、妖説太閤記でも「天文五年の申の年に生まれたから…」と書かれているので、この年表上ではこちらで通します。(新暦1536/01/23)
天文十一年
日成上人、佐渡の日蓮の草堂跡に祖師堂を創建。(銀河忍法帖)
天文十三年
柳生、大和の豪族筒井氏に追われる。(伊賀忍法帖)
天文十四年
法華宗・本能寺、西洞院の旧赤松邸跡(嘉吉の乱の現場)に遷る。(室町の大予言)
天文十五年
秋 弥次郎、強姦と殺人の罪を逃れるためポルトガル船で国外逃亡する。(スピロヘータ氏来朝記)
天文十六年
十一月 弥次郎、ザヴィエル師の祈りで梅毒が治療し切支丹に帰依。(スピロヘータ氏来朝記)
天文十七年
三月 弥次郎、ゴアの聖パウロ学院に入学。(スピロヘータ氏来朝記)
五月十日 聖霊降臨日 弥次郎、洗礼を受けてパウロの霊名を授かる。(スピロヘータ氏来朝記)
秀吉十三才。養父と折りが合わず、家を飛び出す。十六まで香具師として生活。(妖説太閤記)
天文十八年
新暦八月十五日 フランシスコ・ザヴィエル一行来朝する。(スピロヘータ氏来朝記)
天文十九年
九月 ザヴィエル一行、鹿児島を離れ上洛を目指して平戸へ向かう。残留したパウロ弥次郎、新納伊勢守の愛妾お扇の方が、かつて自分が犯したお鶴であることを知る。(スピロヘータ氏来朝記)
十月終わり 蟇丸と蝶丸、山口に至りザヴィエル一行の布教活動と行き会う。蝶丸、陶の妹蘭姫に懸想する。(盲僧秘帖)
十一月半ば 蝶丸、周防から安芸への街道で斬り合いに巻き込まれ片目を失う。京へ向かうザヴィエル一行と出会い、死体の処理を頼まれる。陶の謀反に関する密書を入手しこれを陶に届けて仕官を狙うが土牢に入れられる。(盲僧秘帖)
冬 弥次郎の信仰敗れ梅毒が再発。この時犯したお扇の方を経由して病毒が日本中へ広がる事となる。(スピロヘータ氏来朝記)
天文二十年
一月 ザヴィエル一行入京。その荒廃をみて布教を断念。平戸へ戻る。(盲僧秘帖)
三月 ザヴィエル一行、服装を改めて再び山口入り。南蛮の珍品財宝を献じて布教と寺院の建設を許可される。(盲僧秘帖)
四月 南蛮の献上品の内、鉄砲が陶隆房に下賜される。蝶丸、自分の目を奪ったのが毛利の密偵と知り、策を講じて陶隆房へのの接近を果たすが、残った目を蘭姫に潰される。(盲僧秘帖)
残された蟇丸、斬られる寸前でザヴィエルに救われ帰依。ロレンソの教名を与えられる。(盲僧秘帖)
八月 蝶丸、自分の目を奪った毛利の密偵を罠に掛けて殺し、隆房の信頼を取り付けた上で鉄砲を土産に毛利家へ密偵として入り込む。(盲僧秘帖)
08/28 陶隆房、主君大内義隆に対して叛乱を起こす。義隆自害(09/01)(盲僧秘帖)大内家の滅亡により片山伯耆守(まだこの名乗りは上洛の後、帝より正式に賜ってものだが)浪人する。(忍法剣士伝)
09/04 毛利元就、隆房の指示に従って大内の忠臣・平賀隆保を討つ。(盲僧秘帖)
天文二十一年
三月 大友宗麟の弟八郎、傀儡の主君として大内家を継ぐ。陶隆房、晴賢と改名。(盲僧秘帖)
天文二十二年
秀吉、蜂須賀党で頭角を現す。野武士達を指揮して東へ降る公卿の女房の行列を襲うが、手に入れた女に手ひどく拒絶される。(妖説太閤記)
天文二十三年
五月 毛利元就、安芸備後をほぼ勢力下におさめ、陶との断行に踏み切る。(盲僧秘帖)
天文二十四年/弘治元年
陶の重臣・江良丹後守、蝶丸からの通報で毛利との通謀を疑われて処断される。(盲僧秘帖)
春 毛利軍、厳島を占領。(盲僧秘帖)
07/20 弘治改元。
09/27 蝶丸からの情報により陶軍厳島へ渡る。蝶丸陶の没落を確信し、蘭姫を攫う。元就、蝶丸を用済みとして出陣前の血祭りとされる。ロレンソ蟇丸と蘭姫砂浜に残され蝶丸を悼む。(盲僧秘帖)
明智庄土岐下野守、斉藤道三に滅ぼされる。一子十兵衛、落ち延びて甲賀卍谷へ向かい忍法を修得する。(忍者明智十兵衛)
秀吉二十才。廻国中の軍学者、明智十兵衛が蜂須賀村へ現れる。秀吉の「軍学」が価値を失ったため、離脱を決意。ついでに金品を奪い、十兵衛に一杯食わせる。(妖説太閤記)
弘治二年
秀吉、今川家中の松下加兵衛に取り立てられるが、加兵衛の妹に容貌をからかわれ、出奔を決意。金品を盗み、その罪を同輩石川五右衛門に着せ、自身は尾張への出張を利用して遁走。松下家への仕官は史書ではもっと以前とされる。(妖説太閤記)
弘治四/永禄元年
02/28 「永祿」に改元する。
秋 秀吉二十三才。織田家市姫の行列を狙う蜂須賀党の襲撃を通報し、織田家に仕官を果たす。藤吉郎、前田犬千代の案内で浅野家へ向かい、同家に出入りする安国寺恵瓊と知り合う。(妖説太閤記)
永禄二年
春 お市様の草履取り・がんまく風邪が悪化して死亡。藤吉郎その後釜に座る。(妖説太閤記)
十一月末 大友弾正の遺児・鷹丸と千鳥の兄妹、七年前に返忠を図った宿敵を罠に掛けて討つ。(みささぎ盗賊)
永禄三年
05/19 桶狭間の合戦で織田軍が今川軍に勝利。今川義元戦死。藤吉郎、味方の全滅を見届けて清洲へ走りお市様を落とす算段を巡らしていたが不発に終わる。(妖説太閤記)
08/05 伊藤一刀斎誕生(死なない剣豪)
柳生、松永に属して所領を回復。(伊賀忍法帖)
上泉伊勢守、将軍に上覧。その後、信貴山城にて、柳生新左衛門に指南。(伊賀忍法帖)
丹波の安見家三好勢に攻められて滅ぶ。家老の娘沙羅、家臣土岐弥平次に伴われて朝倉家の家老である叔父・黒坂備中の元へ身を寄せる。(忍者明智十兵衛)
永禄四年
三月 織田家との同盟のため松平元康清洲に来る。信長の草履取り藤吉郎、元康のために草履を揃える。(妖説太閤記)今川氏真、元康の独立を慶賀し、駿府に留め置かれていた妻子を岡崎へ送り届ける。(姦臣今川状)
五月 信長妹・お市との婚約を整えるために浅井備前守長政、清洲を訪れる。藤吉郎やけ酒をあおる。(妖説太閤記)
梅雨の終わり 前田孫四郎、秀吉の工作に引っかかって茶坊主十阿弥を切って牢人に追い込まれる。また安国寺恵瓊の素性をネタに自分の売り込みを依頼。(妖説太閤記)
08/03 藤吉郎、浅野又右衛門の姪・ねねと結婚。ねねの生家である木下姓を名乗る。ねね、初夜の床で秀吉を出世させてみせると言って秀吉を閉口させる。(妖説太閤記)
09/10 第4次川中島の戦い。山本勘助、敗戦の責任を取って出家隠遁。史実では死亡。(信玄忍法帖)
伊賀国人・笛吹城太郎、堺への任務途上、乳守の傾城篝火と恋に落ち駆け落ち。吉野に籠もって忍術を指南する。(伊賀忍法帖)
永禄五年
春 秀吉、台所奉行となる。(妖説太閤記)
春 千宗易、松永弾正に平蜘蛛の釜を贈る。居合わせた果心居士、宗易に三十年後の死を告げる。(伊賀忍法帖)
初夏 三好義興、父の快気を願って東大寺に参詣。松永弾正、義興夫人右京太夫を奪うため大仏殿に火を掛ける。松永による大仏焼失は史実なるも後年の事。(伊賀忍法帖)
松永弾正、主君三好義興を殺害。父長慶、その死の衝撃で廃人と化す。三好義興の死は史実ではこの翌年。(伊賀忍法帖)
秋 秀吉、普請奉行となり清洲城の城壁を一晩にて修理。(妖説太閤記)
10/10 松永弾正、柳生の妨害工作を知り柳生の庄を襲う。上泉伊勢守、柳生の庄を訪れて新左衛門に認可状を許し、石舟斎の号を与える。果心居士、弾正と伊勢守が十五年後の同日に死すると予言する。(伊賀忍法帖)
永禄六年
晩春 お市の方浅井家に輿入れ。(妖説太閤記・忍者明智十兵衛)
明智十兵衛、越前一乗谷に現れて朝倉義景に五百貫で仕官する。(忍者明智十兵衛)
春 竹中半兵衛、わずか十六騎で稲葉山城を乗っ取る。(妖説太閤記)
夏 朝倉家家老黒坂備中守の寄人沙羅、家来土岐弥平次と心中死体となって発見される。(忍者明智十兵衛)
夏 信長、天下布武の印を用いる。(妖説太閤記)
藤吉郎、竹中半兵衛を出世のネタに使おうとして勧誘に向かう。半兵衛は藤吉郎への随臣を希望。(妖説太閤記)
藤吉郎、半兵衛の進言により家族を呼び寄せて、ねねとかみ合わせる。また蜂須賀小六とその一党を手駒として加える事に成功する。この時、小六より石川五右衛門の息子の話が出るが、惚ける。(妖説太閤記)
この年、三好長慶死亡。(海鳴り忍法帖)
武田信玄、快川和尚を恵林寺に招き菩提寺とする。(信玄忍法帖)
三河一向一揆の指導者であった本多正信、徳川家を去って諸国を放浪する。(忍者本多佐渡守)
永禄八年
05/05(新暦六月十三日) 松永弾正の根来僧と上泉伊勢守の弟子による上覧試合。ぱーでれルイス・フロイスこれを見聞す。(海鳴り忍法帖)
05/19 松永弾正、御所を襲い将軍義輝を殺害。将軍御台所・夕子の方、難を逃れ堺へ落ちる。鶯、御台所の身代わりで処刑される。(海鳴り忍法帖)
国友逗子丸、故郷へ帰り、新式銃の開発に勤しむ。木下藤吉郎、国友村に滞在し、これを織田家に引き込もうと画策。逗子丸を勧誘する。(海鳴り忍法帖)
永禄九年
三月 逗子丸、松永への復讐のため信長を頼ろうとするが、長島攻めの惨状を見て織田家への仕官を取りやめる。(海鳴り忍法帖)
五月 松永弾正、曾呂利伴内より夕子の方が堺に存命する事を知り、根来衆による包囲戦を始める。(海鳴り忍法帖)
七月 信長、美濃攻めに苦慮し半兵衛を呼び出す。藤吉郎、墨俣築城を進言しこれを成功させる。藤吉郎足軽大将に任じられ、秀吉の名を賜る。(妖説太閤記)
信長への帰属を拒否した伊賀、攻撃を受ける。服部半蔵、三河へ身を寄せる。徳川家・伊賀組の始まり。(忍びの卍・信玄忍法帖)