SF・ファンタジー 異界モノ

 ここには主に異界モノを扱う作者を纏めます。

 単純にファンタジーで良いじゃないかという意見もあるかと思いますが…。

フリッツ・ライバー

「ファファード&グレイマウザー」 全五巻 創元推理文庫

 北方の大男と南国の小男と言う対照的な二人を主人公とする、一つの典型を作った作品。二人の冒険起点となる世界最大の都市ランクマーのイメージや、其処に救う盗賊結社の存在などは、此の作品の世界観はファンタジーRPG世界に色濃く反映している。

 いわゆるヒロイック・ファンタジー作品をソード&ソーサリーと呼ぶように提案したのも彼であるらしい。

 未訳の4・5巻を含めた復刊が決定しました。投票をして下さった皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。(でも此処まで見に来る人はほとんどいないだろうなあ)04/09/17記

 第一巻は(だいぶ迷った挙げ句に)漸く入手。だって、値段が当時の倍になって居るんだもの。以下二ヶ月毎に一冊刊行と言うことで、二巻が今年中に出て、三巻が来年2月、4巻が4月、5巻が6月だそうです。04/11/09追記

 全五巻無事完読しました。何せ二十年越しの再開(再会)ですので感激も一塩です。最終五巻はシリーズ初にして唯一の長編でしたが…。とんでもない話でした。05/07/15追々記

 世界観比較私論 ファンタジー編 §3 ネーウォンあるいはランクマー

ロジャー・ゼラズニイ

「真世界シリーズ」 全五巻 早川文庫

 真世界アンバーの王子達による王位争奪戦。言ってみれば兄弟喧嘩なのだが、何せ各々が人類から見れば神に等しい能力の持ち主で、抗争の帰結が世界の行く末にまで及ぶのである。敵味方が判然としない、ミステリー仕立てなストーリーが良い。姿を消した彼らの父親、即ちアンバーの王オベロンは意外な登場をする。

「ディルヴィッシュ・サーガ」 全二巻 創元推理文庫

 サーガと言うにはやや短いのだが、一巻が短編集で、二巻がその伏線に決着を付ける長編と言う編成である。魔道師の呪いで地獄へ落とされたディルヴィッシュは、危険な呪文としゃべる馬の相棒と共に生還し復讐を遂げる。

「魔性の子シリーズ」 全二巻 創元推理文庫

 伝説の魔道王の遺児を異世界(我々の世界)へ追放したが、替わりに現実世界から連れてきた赤子が、科学文明を広めようとして異端視される。再び入れ替えようと呼び戻された魔法使いの遺児は宿命の兄弟と言うべき取り替え子と対決する羽目になる。

 全二巻とは書いたがどう読んでも終わっていない。続編の情報をお持ちの方はご連絡下さい。

 世界観比較私論 ファンタジー編 §2 真世界(アンバー)

ディ・キャンプ

「ハロルド・シェイ」(&ブラット) 全四巻 早川文庫FT

 主人公ハロルド・シェイが、異世界への移動方法を編み出し、世界を渡り歩いて暴れ回ると言う話。共作者の片方がお亡くなりになったため、四作しか書かれなかった名作。

  特にムアコックと同じ素材(妖精女王=「グローリアーナ」、アイルランド神話=「コルム後三部」)を用いながら全く印象が異なる。

復刊.com ハロルド・シェイ 全4巻

「妖精の王国」

 ハロルド・シェイ以外の作品。やはりアンチヒロイック。こちらはシェークスピアの「真夏の夜の夢」らしい。

「勇者にふられた姫君」(&ドレイク) 早川文庫FT

 これは共作ではなく併録ですが、系統はハロルド・シェイと近い。ドレイクの作品がディ・キャンプに捧げられたモノらしい。

「悪魔の国からこっちに丁稚」 ディ・キャンプ&田中哲弥(実は訳)

 ホントに翻訳なのか、と疑いたくなるカイ作。復刊を希望。

復刊.com 悪魔の国からこっちに丁稚(上下巻)

フレッド・セイバーヘーゲン

「東の帝国」 全三巻 ハヤカワ文庫

 セイバーヘーゲンを読み始めたきっかけ。旧いから古典とは限らない物で、これはヒロイックファンタジーの定番からは大きく外れ、主人公がノンヒロイック(アンチヒロイックとはまた違う)しているのである。但しヒロイックファンタジーを示すソード&ソーサリーの路線から大きく外れている訳でもない。

世界観比較私論 ファンタジー編 §6 東の帝国

「バーサーカー」シリーズ ハヤカワ文庫

 既に古典に属する名作SF。SFに置いて未知の異星人が作った自動殺戮兵器を「バーサーカー」と呼ぶのはここから始まる。

 世界観比較私論 SF編 §1 バーサーカー

C・S・ルイス

「別世界物語」 全三巻 ちくま文庫

 神学的SF。原書房から出ている新装単行本を紹介。

 世界観比較私論 SF編 §7 古太陽系語の世界

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