魔法社会学用語集
魔術・宗教
共感呪術 ML1
模倣呪術(あるいは類感呪術)と感染呪術から成る。
深化してあらゆる学問の基礎となる哲学を経て錬金術へと発展する。
死の概念 ML1
死に対する認識はあらゆる宗教の起点となる。
信仰の対象を具現化したモノ。
崇拝の対象に人間的な性格を投影する行為。
氏族社会の成立によって発生する集団的呪術。集団を守るための結界が発生する。
集約儀式の焦点具となる氏族の象徴。火の入手経路により石系文化と樹系文化とに別れる。傾向として、乾燥した石系文化圏は環境操作系に、湿潤の樹系文化圏は環境適応系へと進む。
特定の集団を保護するために設けられた魔法的障壁。
社会的分業の過程で生まれる職業毎の守護者。
特に重要なのが豊穣神(農耕)と医療神(医術)そして鍛冶神(冶金術)であろう。
死者を葬る形式。死(と死者)に対する恐怖から発生したと思われる。
死者に対する恐怖から一歩進み、祖先に対する敬意に到る過程で生じる根元的な神学。氏神とも言う。
定住革命以後、血縁に代わって生じた地縁関係を補完する為に誕生した。土地神とも言う。
一神教の広まった西洋圏では守護聖人がその代用となる。
集団の起源・繁栄・組織と関係すると見られる動物。
神話の統合・序列化過程でその本来の姿は失われていく物だが、エジプトでは動物の頭を象った神々として例外的にその姿が垣間見える。
身分階層の発生は呪術の私的利用を生み出す。
自然に対する恐怖と敬意から発生する神学大系。目に見えぬ力を具象化するために擬人化や偶像崇拝と言った形式を必要とする。
自然神や祖霊・地霊崇拝などに伴って発生する宗教上の負の強制力。もっとも根元的なのが食事のタブーであろう。
その管理は世襲階層(→家産官僚制)によって行われる。
多神教において、異なる名前で信仰されてきた神を同一化する事。または一神教に置いて古い信仰を取り込むための方便。
多層的な神話・神学を生み出す手法である。
広域国家(領土国家と都市国家連合を合わせてこう呼んでおく)への統合過程で古い神々が統合・序列化される。
宗教的権威に支えられた政治権力。
古代における中央集権国家の基礎となる。
星の動きと人の運命を結びつけて未来を占う術。中世期には医学とも結びついた。
権力者のために用いられた天変占星術、個人の運命を支配する宿命占星術、そして自然現象との関連性をもつ自然占星術とに分科する。
天変占星術は天文学と対立関係にあり、天文学の発展と共に消滅していった。一方、宿命占星術は天文学の愚かな娘と呼ばれ、その発展に寄生して現代まで影響を持ち続けている。自然占星術は気象学との相関を持ち、天体気象学へと進化を遂げた。
冶金や医学などの知識を内包した、現代化学に繋がる過渡期的な学問。魔法社会史においては錬成学へと発展する。
史実におけるニュートンは成功した錬金術師としては最後の例であろう。
主として東方で発達した不老不死を探求する魔術。錬金術と融合して錬成学を生み出す。
農耕を補助する為の魔術。 遊牧民との抗争により発展する。
遊牧民が生み出した魔術。 農耕民との抗争を通じて発達する。
自然神を否定する所から始まる新しい神の概念。主に乾燥地帯で発生し、唯一神を崇める救済宗教に帰結する。
自然神のような世襲的な神官階層ではなく、新たに教会が組織される。 布教伝道により民族の枠を越えて拡大する。
主に契約神を崇める人間が守るべき宗教的禁止事項。 成文化された禁忌。
一般信徒(在家)と教会関係者(出家)とではその重みが違う。
契約神の教理を保持拡大するための組織、およびその建物。
宗教組織を経由して、富める者から貧しい者への富の再配分を行う制度。教会組織による中間搾取が不可避である。
学問的に大系化される以前の農耕民魔術と遊牧民魔術の混在した状態の雑多な魔術群。
魔法的な力を有する文字。魔法使いが自らの名を記すときに使用する。
東方で発達した環境魔術。
果学革命 ML7
魔法を学問的に完成させる動き。錬金術が錬成学に、占星術が宿数道へと深化する。
血縁や地縁と言った古い秩序体系を破壊する前衛的な思想体系で、発生時には厳しい弾圧を受ける。
インドにおけるジャイナ教や仏教、オリエント発祥のキリスト教やマニ教などがある。
史上もっとも成功した例は何と言ってもイスラームであろう。
宗教権力を政治権力から切り離す文化的革命。
神に代わる新たな規範としての成文法が不可欠であろう。