魔法原理学2

§2 魔法の実際

2−1 魔法使いの区分

 さて、前回触れた四つの魔力使い手の内、妖力を用いる者すなわち魔性体というのはおとぎ話にでてきて願いを叶えてくれる妖精(フェアリー)や妖霊(ジンニー)の類で、自分の為の自発的な魔法の使用をいない。基本的に彼らをプレイヤーキャラクターとしては想定しない。

 験力と法力は力の差はあるにせよ、一般のRPGで言う僧侶系魔法に相当する。魔法としての本質的はほぼ同じモノで、使用条件や手順がやや異なる以外はルール上は一括りにして構わない。

 そして魔力の使い手である魔道師が前回も述べた様に教義の魔法使いになる。魔力と法力を同時に使える人間はいないが、魔力と験力、法力と験力は矛盾無く共存できる。験力を得る条件とは単純に言えば名前を売る事、その真名が信仰や恐怖の対象となる事である。そうなれば、己が名を冒頭に付けるだけで、(「〜の名において命じる」、「願う」と言う具合である)魔法が行使できるようになる。これは実績や風評であって実力とは相関しない。

2−2 魔法の行使

 魔法は大雑把に言って三段階に分けて処理が行われる。魔力を集める過程、魔力を消費する過程、そして魔力を維持する過程である。これを各々ready-run-waitとよぶ。

 魔法文化の特徴が最も顕著に見られるのがこの第一の過程である。つまりルール上の魔法の違いはこの部分の変更で表される。

 第二過程では、まず使用する魔力を宣言し、次いで魔法の行使に必要な魔力量をランダムに決定する。足りなければ魔法は不発となり、逆に余った場合にはその量によって反動が起きる。反動が生じた場合には最後の第三過程で処理が行われる。処理に失敗して暴走させればやはり魔法は正常に働かない。

 これだと魔法の行使が非常に困難に思われるであろうが、それも魔法文化の表現として解決策を二つほど考案している。一つは魔法技能レベルによる調節である。これは必要魔力をレベル分だけ上下に補正できると言うモノである。これによりレベルが上がるほど魔法の成功率が上がる。もう一つは呪具(マジカル・ディヴァイス、もしくはハードウェアとも)と呼ばれるサポートアイテムの開発である。呪具には余った魔力を吸収する機能が常設されている。この二種類の補正によって魔法の正常な発動が有る程度保証されるであろう。

 順序が前後したが、第三過程ではこの消費魔力の補正の他に、持続性魔法の維持コストの管理も行われる。これには魔法使いが保持している魔力(つまりレベルで吸収した分)や呪具に溜まっている魔力を転用される。

 呪具は魔法の補助具で有りながら法の要素を備えているが、”界渡り”により変質せず、OTE(オーバーテクノロジー装備)として扱わる。(参照・T 法と混沌の原理学

2ー3 僧侶魔法に関する補足

 僧侶の起こす奇跡は”白き御業”と自称され、基本的に他人の為に行使される物である。彼らに言わせると、魔法使いの”黒き御業”(ブラックアート)は個人のエゴ、もっと言えば欲が実体化した怪しげな物となる。白魔法と黒魔法という大別は彼ら僧侶達が彼我を区別する為に持ちだしたモノで、魔法使いの用語ではない。

 魔法使いの魔力は”契約”によって生み出されるの対し、僧侶の法力は”信仰”によって顕れる。より正しくは魔力は個別契約なのに対し、法力は団体契約なのであるが。

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