忍者外史6 田沼主殿頭対松平越中守

 田沼と無関係 田沼方 反田沼 

明和元年

 梟無左衛門、主筋の紀伊に「袋返し」を行い母そっくりの娘いさを出産させる。(忍者梟無左衛門)

明和四年

 服部千蔵、薩摩に下された「菊じるし」と呼ばれる密勅を奪うために配下を薩摩へ送り込む。一人岩殿源之介が生還し敵方の首領首次万華の名を伝える。(忍者死籤)

明和五年

 服部組折着甲閑、かねてより研究中の「万華の術」の端緒を掴む。千蔵、これを受けて薩摩への密偵派遣を再開する。(忍者死籤)

明和六年

 薩摩の首次万華、「菊じるし」を持って服部屋敷へ推参。狐川弁蔵と相打ちとなる。(忍者死籤)

明和八年

03/04 南町奉行曲淵甲斐守、田安宗武より一子賢丸の行く末を託され、七人のお庭番を与えられる。(天明の判官)

安永三年

六月末 曲淵甲斐守配下の大岡組、大久保土佐守等を殺し、その罪を鳥見屋地兵衛に着せて捕縛。(天明の判官)

 甲賀を追われた女の娘千羽、素性がばれるのを恐れて逐電する。夫初狩杖馬これを庇って共に落ちるが、追っ手に掛かって討たれる。(忍法幻羅吊り)

安永八年

初夏 田沼家に使えていた伊賀一雲斎の娘・時雨、田沼意知の切れた小指を繋ぐ。忍法の奇怪さを知った平賀源内、伊賀・甲賀の交配を思いつく。(麺棒試合)

 田沼の命により一雲斎の次女霞が甲賀鉄四郎に嫁ぎ、甲賀錫斎の次男銅七郎が一雲斎の長女時雨に婿入りする。鉄四郎、初夜に股間のものを溶かされて自裁する。時雨、同じく子宮口を引き裂かれ自裁する。(麺棒試合)

 田沼の命により生き残った霞、銅七郎の間で再度の婚礼。翌朝、霞の急死が告げられる。(麺棒試合)

11/21 源内、鳥見屋事件の絡繰りを見破る。それを漏らそうとして奉行所に拘禁される。(天明の判官)

12/18 曲淵甲斐守、牢で源内と対面する。彼の推理を確認した後に、辞世の歌を与えてこれを殺させる。(天明の判官)

 伊賀の末娘・吹雪、田沼の屋敷にて銅七郎と対決し姉霞の仕込みにより甲賀銅七郎を敗る。(麺棒試合)

天明元年

 無左衛門、いさに袋返しを施して田沼の毒牙から彼女を守る。(忍者梟無左衛門)

秋 甲賀卍谷のくノ一、吉原赤蔦屋に現れる。三ヶ月の見習いの後小式部と名乗って店に出る。(忍法幻羅吊り)

天明二年

春 小式部、腹違いの姉夫婦の敵討ちを果たして卍谷へ帰る。

天明三年

春 田沼山城守のお庭番鵜坂香助、吉原へ通う金欲しさに辻斬りを繰り返し伊賀組の頭領服部億蔵に処断される。山城守、ここから公営の女郎屋の開設を思いつき、億蔵にその差配を任せる。(女郎屋戦争)

梅雨の時期 伊賀組の客分滝川右近、甲賀へ修行に出さる。あだと交わって「傀儡精」を会得する。(さまよえる忍者)

 右近、金貸し石母田金三郎に乗り移り彼の金を全て散逸してしまう。(さまよえる忍者)

秋 右近、坂部兵十郎に乗り移り、たまたま知った田沼主殿頭らの暗殺計画をぶちこわす。(さまよえる忍者)

秋 服部億蔵、公営遊郭の経営に意外な才覚を発揮する。(女郎屋戦争)

 右近の「傀儡精」がきっかけで鞍掛夫妻が心中する。(さまよえる忍者)

 右近、鞍掛夫妻の心中の原因とされた札差しの法華屋伝兵衛に乗り移る。(さまよえる忍者)

初冬 謎の上方商人淀屋文左衛門が吉原に通って肩入れする。(女郎屋戦争)

天明四年

三月 法華屋伝兵衛に成っていた右近、田沼山城守に狼藉を働く。更に山城守に乗り移って伝兵衛を成敗する。(さまよえる忍者)

三月 山城守、億蔵に淀屋文左衛門の探査捕縛を命じる。(女郎屋戦争)

 松平越中守の隠密白河夜舟、佐野善左衛門に接近する。(天明の隠密)

03/17 抜け殻となった右近の世話をしていたあだ、風邪が元で亡くなる。(さまよえる忍者)

三月末 佐野善左衛門の妻・いさ、梟無左衛門の忍法「袋返し」により七つ目の子を産む。田沼の祟りを感じ錯乱する。(忍者梟無左衛門)

03/23 服部億蔵、田沼の叱責に対し吉原の軍師であった淀屋文左衛門を引き出して慈悲を請う。その正体は…。(女郎屋戦争)

03/24 佐野善左衛門、若年寄・田沼山城守に対し刃傷。(忍者梟無左衛門)山城守の中にいた滝川右近、自分の体に戻る。(さまよえる忍者)

 右近、鞍掛鞍之進に己を討たせようとするが、その直前に鞍之進に乗り移ってしまう。(さまよえる忍者)

天明六年

六月 甲賀組くノ一お節、その素性と目的を天羽周助に告白する。(天明の隠密)

八月半ば 甲賀組、松平越中守の隠密の存在を突き止める。(天明の隠密)

08/20 周助、お節の「羅変相」で顔を変えて田沼の刺殺を狙うがお庭番頭明楽飛騨守に阻止される。甲賀くノ一お節、周助にわびて自害。松平越中守の隠密白河夜船、その意外な正体を顕す。(天明の隠密)

文化年間

 伊賀者三人、大奥の寵姫の依頼で側妾候補香鳥を調査する。

文政四年

早春 近江瓢貫斎の養女お砂、卍の秘命により下斗米の前から姿を消す。(大いなる伊賀者)

04/23 津軽の忍者・恩名捨楽斎、津軽越中の行列を襲った南部藩士・下斗米秀之進を退ける。(怪異二挺根銃)

九月半ば 田安家士塔ノ辻無近、相馬大作と巡り会う。(怪異二挺根銃)

 無近、恋人お阿佐の協力で捨楽斎を討つ。(怪異二挺根銃)

10/14 平山子龍、伊賀の掟により相馬大作の捕縛を命じられる。(大いなる伊賀者)

文政五年

四月 伊賀くノ一三人、奥方の命で添い寝役として松平肥後守のお国入りに同行する。(忍法花盗人)

五月 芦名玄白、会津藩国家老・西郷頼母より主君肥後守の陰萎治療を命じられる。阿武隈法馬の妻志乃の治療(法馬と肥後守の陰茎を交換する)により肥後守の陰萎が治る。志乃は役目を終えた後自害する。(忍法花盗人)

08/25 お砂、平山の前に現れて、津軽越中守の命を奪う様に懇願して死ぬ。(大いなる伊賀者)

数日後 平山、お砂から吸った女の精を使って津軽侯親子に「女精陽転」を仕掛ける。(大いなる伊賀者)

文政六年

春 肥後守の治療に当たった芦名の忍者、出産後の肥後守の愛妾三人を下げ渡される。(忍法花盗人)

二ヶ月後 芦名兵蔵、おえんの方の暴力に絶えかねて縊死する。(忍法花盗人)

三ヶ月後 阿武隈法馬、主君と代えた貧相なモノを駆使するも遂にお優の方の要求に絶えられずに発狂する。(忍法花盗人)

 お優の方より生まれた男子が赤痢で亡くなり、残る男子の生母である真柄の方が城へ戻されることになる。(忍法花盗人)

半年後 信夫銀三郎、真柄の方と引き離されて自害する。(忍法花盗人)

文政年間

 鶉平太郎、薩摩へ密偵に出る直前、つかの間の夢を見る。(魔天忍法帖)