顎十郎の時代
人物紹介
顎十郎
本名仙波阿古十郎。顔の半分が顎という異相から顎十郎と訛って呼ばれる。が、それを面と向かって指摘されると切れて剣を抜く。その呼び方が唯一許されるのが姪の花世のみ。
* 「捨て公方」によると、甲府勤番となったのが二十八歳。逆算して文化十二年生まれ。
森川庄兵衛
北町奉行所に属する与力。吟味方筆頭市中取締方兼務。顎十は末の妹の子に当たる。(だから正しくは”伯父”と書くべきですね)
* 花世出生時(下記参照)に四十歳。逆算して享和元年生まれ。
花世
庄兵衛の娘。四十過ぎて生まれたので非常に可愛がられる。
* 「咸臨丸受取」に「甲子の年の生まれ」と書かれるが、これは作中年代と整合しない。子年だけ採用すると天保十一年(庚子)生まれで作中の咸臨丸受取の年(安政四年)に数えで十八歳となる。
** 顎十郎江戸期間直後の「稲荷の使」で十七歳と書かれるが、上記の生年から算出するとうまい具合に七歳になる。
ひょろ松(ひょろりの松五郎)
神田鍋町の御用聞き。神田屋松五郎。
小金井鴨下村の庄屋の倅。父の死後家督を弟に譲って江戸で庄兵衛配下になる。
顎十を先生と崇拝しつなぎ役を務める。彼が在野に降ってからはその推理の恩恵を独りで受ける。
* 安政四年(咸臨丸受取)に三十四歳。逆算して文政七年生まれ。
藤波友衛
南町の腕利き同心。顎十郎のライバル。
とど助
本名は雷土々呂進。もとは九州の浪人で、奉行所を辞めた顎十郎と組んで駕篭屋を始める。
伏鐘の重三郎
二年に一度くらいの割合で大きな仕事をする盗賊。一度捕まったが、遠島船から忽然と消えた。(「遠島船」)
* 都筑版でも二度(「浅草寺消失」「三味線堀」 )登場する顎十の好敵手。