二大政党制私論2 二大政党制の一モデル

1 都市型政党と農村型政党 

 農村というのは自給自足社会であり、対する都市は流通消費社会である。故に都市は単独では存在できず、前工業化時代には都市は農村の余剰生産(人口も含む)で細々と維持されてきた。

 産業革命によりこの構造は劇的に変わる。都市は二次生産の場となり、流通は飛躍的に増大する。

 さてここからが本題なのだが、都市と農村の人口比はほぼ等しくなるらしい。つまり都市型政党と農村型政党と言う二大政党制も考えられる。 

 都市型=効率重視=小さな政府型 

 農村型=福祉重視=大きな政府型 

 と言うことになるか。

1−2 9・11総選挙私考 

 自民党は元々農村型政党だったはず。だから農村(もっと言えば田舎の過疎地)受けしない郵政民営化に対する抵抗が強いのは理解できる。ところが小泉首相は都市部選出なので政策が都市型に傾いている。  

 民主党は本来なら都市型の筈なのだが、自民党(と言うか小泉首相)への対抗意識から郵政民営化に反対している。これは支持基盤として取り込んだ労働組合の影響も有るのだろう。 

 要するに郵政政局というのは郵政関連票の食い合いに過ぎないのである。 

 民営化すれば経営効率は確実に上がる。後は増えた収益をどのように配分するかで有ろう。郵便貯金が外資に喰われると言う意見も有るが、誰が使おうとも日本国内に落としてくれるなら問題はない。 

2 第三の選択  環境政党

 日本でも二大政党化が進行中だが第三勢力が生き残る余地はないのか?

 公明党はすでに自民の補完勢力と化しているので論外。左翼護憲はすでに時代遅れである。可能性としてはドイツ型環境政党であろう。

 日本にもし環境を重視する政党が有れば、少子化はむしろ歓迎すべき事象と考えるだろう。 そこでは少子化を問題視するのではなくその適正化モデルが模索される。

 一方に便利さを追求した都市型社会があり、もう一方で自給自足を旨とした農村型コミュニティが併存しうるのではないか。そして都市型政党と農村型政党の調整機能(補完勢力)として環境重視の第三政党の存在価値が生じる。 

 世界規模で環境を考えるなら、人類が今の生活水準を維持できると考える方がおかしい。世界中の人間がアメリカ並み、日本並みの生活を営もうとしたら、地球は間違いなく崩壊するだろう。そうならないためにはどこかで妥協しなければならない。全国一律のサービスというのはまやかしである。それは社会主義のもたらす悪しき平等でしかない。 

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