スポーツ国際戦略私論 ５ 祝・ＷＢＣ連覇
§１ 日韓戦
全九試合の内、なんと五試合が対韓国戦という偏った組み合わせ。
あちらさんはこれが日本の勝因だとまで言っていますが、つまり自国は弱いと。世界ランク一位のキューバに二度完封勝ち、ベースボールの祖国アメリカに完勝した日本の優勝が組み合わせによるフロックだとでも？
日韓のリーグの力はこれまでのアジアシリーズの結果から見ても明らかに日本が上。オリンピックでは残念ながら負けましたけど、メジャーリーガーまで入れれば日本の方がまだまだ実力的に勝っているのは確かでしょう。
§２ アジア
日韓での決勝という結果を見てもアジアのレベルの高さを世界に知らしめることが出来たでしょう。それはそれとして、アジア内部での序列はやや変化が見られるようです。日本に次ぐナンバー２を争っていると思っていた台湾がやや弱体化して、代わりに中国の台頭が顕著になってきました。
先のオリンピックでは開催国の中国に出場権があったので台湾は出られませんでしたが、今年のアジアシリーズで果たして中台の逆転は確認できるのか。それにもまして韓国代表は日本代表にこれまで以上の対抗心を燃やしてくるでしょう。
§３ アメリカ
代表辞退が無く、すべての駒を使えたなら結果はここまで悪くなかったでしょう。
原監督も一度の勝利でアメリカを追い越したとは思わない、といっています。この謙虚さがすばらしい。現役時代から長島・王の後を引き継いだ巨人の４番として常に偉大な先人と比較され続けてきた人物らしい発言です。それ故に彼は監督として優れた力量を発揮し続けてきました。
日記でも書きましたけど、選手の状態がピークにあるシーズン終了直後に大会が開ければもっと凄い試合が見られるのではないかと思います。
アメリカ人も、アメリカで開催される試合で、アメリカが負ける所などもう見たくないでしょう。次回にはアメリカの本気が見たいモノです。
§４ 中南米
アジア以外では日本が戦ったのはアメリカとキューバのみ。相手国としては前回よりも少ない上に、前回戦った相手ばかりとなりました。出来ればベネズエラとかドミニカもメジャードリームチームも見たかった。
ちょっと意外だったのがキューバ。カストロ前議長はキューバに二度も勝った日本野球を絶賛。共産国だから負けると大変なのではなどと考えた失礼をお詫びしたいです。それにくらべて自由主義のはずの隣国は…。
キューバも、準決勝で韓国に敗れたベネズエラも、どちらも反米国家なのでアメリカに勝った日本には好意的なのかも知れない。ベネズエラ自身はアメリカに二勝一敗で勝ち越しているのでそれなりに満足したでしょう。
他にもアメリカをコールドで下し、敗者復活戦でもアメリカを後一息まで追い込んだプエルトリコ。逆に振るわなかったのが前回四強のドミニカ共和国。以外にもオランダに二敗して一次予選で姿を消しました。何故オランダ？と思ったけど、カリブ海にオランダの領地があってそこから選手を輩出しているようですね。
§５ ダブルエリミネーション方式
いろいろと批判はあったけど、今回の方式それ自体は前回よりもわかりやすくて良かったと思う。ただし、順位決定戦は行わず、二勝負け無しのチームをそのプールの一位として扱った方がすっきりすると思う。（こうすれば日韓戦は三度に減らせた。いや二位通過の韓国がキューバに負けて一度で済んだ可能性も）
さらに一次予選で残ったチームは次の予選では別のプールに入れてトーナメントの決勝までは当たらないという方式にすべきだと思う。
これなら日韓戦はアジアで一回。もし両方が勝ち残れば決勝でとなる。韓国とやるのが嫌だというのでなく、たくさんの強豪国とまんべんなく戦って欲しいという希望からだ。
次回は一応四年後ということだけれど。どうせ野球がオリンピック競技が外れたのだから、オリンピックとぶつかることを気にしなくても良いのでは？