お源の事件簿
お源が聞き込んだ情報をきっかけとする事件、あるいはお源を介して相談が持ち込まれた事件。
体調を崩している話は後半へ配置する。
*年代確定済み
「開かずの間」 文化十二年
佐七の母お仙を訪ね、甥の辰五郎について愚痴る。
「女刺青師」 文政二年?
事件落着後に花見に同席。(「呪いの畳針」で言及された花見と推定)
「嵐の修験者」 文政二年(己卯の年)
7月の大雷雨。辰と豆、お源の家の慶事の帰り道に事件に遭遇する。
「血屋敷」 文政三年?
ひな節句の前日 公方様のお鷹狩りで両国界隈の見せ物小屋が休みになる。
お源、菱川流家元寅右衛門(7代目)の養女お銀を紹介する。
わざわざお土産を持ってくるあたり、頼み事は初めてと思われる。
「呪いの畳針」 文政四年
三月 花見の相談中、お源が回向院前の錦屋の旦那を伴う。
事件の落着後の花見には参加せず。(「花見の仇討ち」)
「水晶の珠数」 文政四年
四月 浅草の乞食殺しについて。佐七が出かける直前、連れてきた関係者を紹介する。
「うかれ坊主」
十一月 うかれ坊主の死体すりかわり事件を知らせる。
「蛇性の淫」 文政八年
梅雨明け頃 同じ小屋に出ているお甲を伴う。娘お勝が三日前の六日から行方知れず。
「河童の捕り物」 文政八年
秋 雨が多いため芝居はお休み。山口屋の娘お糸に河童が忍ぶと言う…。
「化け物屋敷」 文政九年
暑気あたりでお粂の見舞いを受ける。
「番太郎殺し」 文政九年
秋 変死を遂げた番太郎の娘の訴えを伝える。
「くらげ大尽」 文政九年
十月下旬 くらげ大尽の嫁取話を持ち込む。
「梅若水揚帳」 文政十年
雪の多い年。七草の日に訪れた辰と豆六におひねり。(次の「神隠しばやり」との関連から寝込んでいたと推定する)
「神隠しばやり」 文政十年
正月二十七日 お源 お玉が池に年始の挨拶。(暮れから正月に掛けて風邪で寝込む)
花嫁失踪についての情報をもたらす。
「かくし念仏」 文政十年
本人は登場せず、辰が内容を仲介。
「どもり和尚」 文政十年(「よる年波」とあるので後期。消去法)
十月五日 寒松寺のお十夜に参加。了泰和尚がその最中に突如どもりとなる。お源の観察では茨城屋幸兵衛を見たのが理由らしい。
十月七日 お玉が池でどもり和尚の話をする。
「福笑いの夜」 文政十一年
体調を崩し、正月下旬に年始。殺された妙椿の”ふしぎなわざ”について語る。
(「神隠しばやり」でも同様に風邪で寝込んでいるが、向こうはお源が来る前に事件との関与が始まっている)
「万歳かぞえ唄」 文政十一年〜十二年
暮れ 佐七が両国橋付近で救った重傷の若者を預かって世話をして年越し。
記憶を失った若者の素性を探る手がかりとして彼がうつつに歌う数え歌を書き留める。
「女虚無僧」 文政十二年
春 体調をこわしてお粂の見舞いを受けるが、既に快方に向かう。
「人魚の彫物」 文政十三年
本所横網の流れ祝言について語る。
「江戸名所図会」 天保二年
春 本所への使いの後で立ち寄った辰と豆六に馳走する。