混沌の渦に基づく魔法社会発展システム

 混沌の渦(原題ではメールストローム)とは別の頁でも少し触れていますが、10年以上も前に翻訳された外国産RPGです。自作世界の魔法システムにはこの概念を組み込んであるので、魔法の行使じは些細な物であっても歴史に対する改変行為に成ります。

 混沌の渦とは、魔法を発生させる根元のような物です。同RPGの中では魔法使いはこの渦と接触して世界に干渉する訳ですが、これにはある種の反動が生じます。具体的には空間が歪みを起こし反動が生じます。

 ルール上はこの不安定さを利用してより強力な魔法を行使する事になります。と言うのもこのシステムでは通常の魔法は非常に実現しにくい物なのです。魔法には度数があり、これが高いほど起こりにくくなります。具体的には、魔法が無くても普通に起こりうる事(を意図的に起こす事)が第一度、次に普通は起こらない事故に近いことが第二度、更に普通ではあり得ないけど、全く皆無とは言えない現象が第三度、そして起こったら絶対に説明できない不可思議な状況が第四度になります。そして一般のRPGで魔法と呼ばれる攻撃や治療の魔法は第五度に分類されます。

 魔法を掛けるには更に必要な呪文を覚えているかを判定し、ついでその呪文が効果を発生するかを判定します。まず呪文を知っているかは(知識−度数*10)%の確率で判定します。知識に限らず、このRPGでは初期設定では最低が30で、最大でも50までにしか成りませんから、これだけでもかなり厳しい条件です。次に効果を発生するかを(意志力)%で度数回判定します。つまり第三度の魔法を掛けようとすれば、三回成功させなければ成りません。

 一度魔法を掛けると、意志力が下がります。判定回数つまり度数分だけ十面ダイスを振って出た数だけ減少します。つまり意志力が判定基準であると同時にMP(マジックポイント)にも成るわけです。失敗した時はいっぱいした回数分だけ六面ダイスを振って消耗を計算します。失敗した方が取りあえずは消耗が少ないわけです。魔法を失敗した事による別の不利が生じているでしょうけど。

 さて本題の混沌の渦の影響ですが、魔法を使う、つまり混沌の渦を呼び出すたびにこの世界が不安定化します。ルール上は思いがけないことが起こる確率として書かれていますが、世界改変に際しては、干渉に対する反動として計算します。つまり一度の干渉で1%の反動(失敗率)は発生します。度数は有っても第二度までとしましょう。通常あり得ないことを起こすとリアリティが損なわれますから。

 干渉者が一人ならそれでおしまいでしょうが、複数の人間が綱引きのように干渉しあうことで、この確率は上昇していきます。魔法では無いので全くあり得ないことは起こせません。よって上で言う第一度のみを想定します。相互の干渉が収束するまで、結果は発生しない物とします。干渉者の妥結に対して、それまでの累積反動を計算し判定が行われます。判定に失敗して結果的に何も起こらないかも知れません。それでも混沌の渦の影響はしばらくその場に残り、その後の世界の動きに影響を与えます。

 元のルールでは一時間毎に1%づつ減少していく事になっていますが、長期の歴史介入の際には、一週間につき1%の減衰が適当かと思います。影響が残っている間は毎週判定し、何か起こったらそこで影響をうち切る物とします。

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