夜の黒豹

 短編を長編に直したモノの一つ。発生は35年末だが、解決は翌年。

 岡戸圭吉 星島由紀 佐々木裕介 中条奈々子 

昭和八年

 岡戸竜平、最初の妻と死に別れる。

昭和九年

 岡戸竜平、後妻として星島重吾の妹志保子を娶る。

昭和十年

 竜平と後妻志保子の子として誕生

戦時中

 佐々木裕介、応召するも内地勤務のため、終戦後直ぐに復員。

 畠中麻耶子、職業軍人・星島重吾(終戦時は陸軍少佐)と結婚。

昭和二十年

 星島重吾と妻麻耶子の間に誕生。

終戦後

 星島氏、妹婿岡戸竜平の手引きでヤミ商売で財を成す。

 麻耶子、近江秋子に師事し閨秀画家として名を売る。芙蓉会に参加。

昭和24年

 母校で学位を取得。付属病院に勤務。 

 この頃、星島氏はヤミから足を洗い星島商事を興す。

昭和26年

 中条辰馬と結婚。実家の倒産による一種の政略結婚。絵画も辞める。(本人は主婦業に専念するためと言うが…)

昭和27年

秋 母志保子、乳ガンで死去。竜平、亡き妻の遺言に従って双竜会を解散。堅気となる。

 岡戸竜太郎、相馬良作の事件で金田一を威圧するも相手にされず。

昭和29年

 父星島重吾死去。享年53才。

昭和30年

 現在の聖ニコライ病院に勤務。大学の病院は女性問題で辞める。

昭和32年

2月 流産し二度と子供の出来ない体となる。同門の星島麻耶子との交際が復活し、再び創作活動を始める。麻耶子の協力で個展の準備を始める。

春 竜平、楢山元子爵の娘・操と再婚。

秋 母麻耶子が佐々木裕介と再婚。

昭和33年

春 中条家の主治医となる。

2月23日 夫辰馬急逝。遺産は先妻の子達と三等分。

 岡戸竜平の還暦祝い。

秋 いとこの由紀と駆け落ち騒ぎを起こす。圭吉の本命が母麻耶子だと聞かされて家に舞い戻るも母とは敵対関係になる。

 学校をやめ丘朱之助の名前で漫画を書き始める。

昭和34年

9月12日 母麻耶子、軽井沢で交通事故死。同門中条奈々子の別荘からの帰り道。

秋 銀座の画廊で星島麻耶子の遺作展。

 この年、岡戸竜太郎、珠美と結婚。

昭和35年

11月18日 ホテル女王のベルボーイ山田三吉、謎の女・葉山チカ子と出会う。

 23日 三吉、くに子とデート。三吉を待っていた謎の女あり。くに子、ハンドバックを盗まれる。

 25日 ホテル竜宮で水町京子の死体が発見される。不眠症に悩む金田一、等々力警部に引っ張られて高輪署に同行。

 26日 朝6時 金田一帰宅。午後4時まで爆睡する。7時 高輪署の捜査本部へ着く。

 山田三吉、支配人の北川に付き添われて高輪署を訪れ、女王での事件を話す。

12月2日 三吉ひき逃げに逢う。

 3日 金田一、朝刊を見て等々力警部に電話。その後、病院に駆けつける。

 夜、夕刊を見て三吉の恋人尾崎くに子が代々木署へ出頭。くに子の口から漏れていた事実が明かされる。

 5日 三吉、息を引き取る。

 6日 三吉の告別式。くに子、例の女を見る。

 24日 第三の事件。向島の旅館「みやこ鳥荘」で死体となって発見される。死体が由紀で有ると確認する。

 圭吉のアパートで監禁状態の少女が発見・保護される。

 25日 金田一と等々力警部の訪問を受ける。

 高輪署にて合同捜査会議。

 金田一、宇津木慎策に依頼した人物調査の経過報告を受ける。

 26日 竜太郎に長男が誕生。

 金田一、岡戸竜平と会見。操夫人、圭吉のアリバイを証言する。金田一、圭吉が犯人に陥れられた可能性を示唆、竜太郎に圭吉の行方を警察とは別に捜すように指示する。その一方で、秘書に仕立てたくに子に操夫人の面通しを行わせる。

 27日 宇津木の取材を受ける。くに子、奈々子の面通し。

 高輪署の青トカゲが岡戸圭吉であると訴える怪文書が届く。

 金田一と等々力警部の意見交換。金田一独自の行動を宣言。

 死体となって発見される。金田一、死体確認に訪れた竜太郎の協力を取り付ける。竜平からの中間報告要求を拒絶。(意中の犯人を継げると、彼が暴走するおそれを感じたか)

 金田一、出産後の珠美を見舞う。くに子の面通し。由紀の隠れた愛人を知る。

昭和36年

1月21日 三吉の亡霊を見る。

 22日 竜太郎から由紀の遺産についての同意をしつこく求められる。

 24日 犯人逮捕。

年譜→昭和36年