悪魔の寵児
年表に入れ忘れていました。
時期が被ってしまった「香水心中」(作中人物の年齢から33年の8月の事件で有る事が確実なのですが)を一年繰り上げました。この時期に、金田一だけならともかく、等々力警部までが東京を離れることは有り得ないので。
風間欣吾 水上三太 石川宏
昭和7年
少尉時代、及川澄子と関係。上官である望月厳太郎から縁談を持ち込まれこれを捨てる。
4月下旬 望月種子と結婚。
12月1日 誕生。
5日 伯母夫婦の子として入籍。
7日 及川澄子自殺。
昭和9年
石川早苗誕生。
昭和17年
宏と早苗の父、石川亘戦死。
昭和18年
後藤伯爵の娘美樹子、有島子爵の跡継ぎ忠宏に嫁ぐ。
昭和19年
有島子爵死亡。嫡男忠宏が爵位を継ぐ。
昭和20年
8月 終戦。
岳父の望月大将が戦犯として逮捕。妻との関係が悪化する。
昭和22年
戦後のインフレが絶頂に達する頃、旧主家である後藤家また美樹子の婚家有島家を支援する。妻種子を離縁する。
昭和23年
有島邸を入手。同時に美樹子と再婚。様々な噂を呼ぶ。
12月23日 望月大将、A級戦犯として処刑。
この年、宏と早苗の母房子死亡。
昭和24年
望月種子、処刑されたA級戦犯の霊を慰めるためと称して蝋人形館を開く。
昭和28年
秋 東都日報の入社試験に合格。翌年春に入社。
昭和31年頃
カステロに通い出す。
昭和32年
秋 早苗、カステロに勤め出す。
昭和33年
春 カステロのマダム・城妙子の紹介で風間美樹子と知り合う。彼女をモデルにして絵を描き始める。
美樹子の紹介で早苗と共に経堂赤堤の加藤重吉邸の離れに住まう。
6月18日 石川宏と名乗る男が日月堂を訪れてハガキの印刷を依頼する。
28日 風間の世話になっている女達に(10日前に注文された)ハガキが届く。三人の女性がカステロに集まる。
住居で美樹子と共に心中状態で発見される。美樹子の方は亡くなっていたが、彼の方はまだ息が有った。
カストロで事件の匂いを嗅ぎつけて、後をつける。
現場に駆けつけて妻の死体を引き取る。三太と記事に関して取引を行う。
妹に付き添われて病院へ送られる。
早苗の代りに留守番を買って出て家の捜索を行う。
帰宅後医者を呼ぶも、美樹子の死体が消失する。
29日 前夜の約束通り風間欣吾を訪問。
美樹子の死体消失を告白し、彼の功名心に訴えて協力を求める。妥協成立後、旧知の金田一耕助に調査を依頼する。
風間氏の申し出を受けて翌日から一週間の休暇を取って独自の調査を始める。
30日 望月蝋人形館へ忍び込む。館長の種子に見つかって撃ち殺されそうになるが、間一髪の所を謎の男(先に忍び込んでいた金田一)に救われる。
7月13日 謎の雨男、黒亀に(君代の)蝋人形作りを依頼する。黒亀、悪戯心からこれと対になる欣吾の人形も作成。
20日 雨男、黒亀がセットで作った風間の人形を気に入りまとめて買い上げ、人形を入れる箱も注文する。
下旬 退院し、妹と共に風間の屋敷に引き取られる。
23日 黒亀作成の蝋人形、箱に詰められ鍵を掛けて翌日の朝10時に発送される。
24日 欣吾と面談。金田一の関与を知る。
25日 ブーケ・ダムール美容院、丸の内進出記念パーティ。
早苗、湯浅朱美を迎えに行く。その途上雨男と遭遇し鍵を託される。
早苗より鍵を受け取る。早苗に会場にいる金田一を呼びに行かせる。
早苗と共に金田一を探す。
金田一と相談の上、箱の鍵を開ける。中から保坂君代の死体が出てくる。
金田一の指示で等々力警部を呼び出す。(警部は前もって庁内で待機していたらしい)
死体を見た黒亀、蝋人形を作ったのは自分だと告白。但し、死体については否定。
早苗、雨男が着ていたと思われるレインコートを発見。そのポケットから、帯締(亡くなった日に美樹子がしていたものと判明)が見つかる。
26日 欣吾の解禁を受けて東都日報記事を書く。臨時に文化部から社会部へ移されてこの事件の専属とされる。
取り調べ中に意識を失う。
8月15日 R大学にて古垣博士による最後の精神鑑定。報道陣を避けるために密かに病院を出され、そのまま早苗とともに姿を眩ます。
早苗と同行するはずだったが、途中で襲われて気絶。意識を取り戻した後、風間邸へ駆けつける。
16日 早苗が上野公園で発見される。
9月3日 城妙子と宮武益江の二人から同時に別れ話を持ちかけられるが了承せず。その後益江は姿を消す。
望月種子、謎の電話の指示で黒亀を成城のアトリエへ向かわせる。
9月4日 朱美と逢い引き。朱美、閨房に覗き穴を発見する。
朱美の元にいる風間を訪ねる。金田一が調査している及川澄子について尋ねる。
早苗からの電話で益江の失踪を知る。
その電話の最中に姿を消す。行き先で益江と黒亀の死体を発見する。
種子、黒亀の死を知って発狂。
夜、蝋人形館へ忍び込み拘束された石川宏と蝋人形の中の美樹子の死体を発見する。
5日 意識を取り戻し、自分をさらったのが男女の二人組みであると証言。
R病院に入院中の種子、毒を盛られて死亡。
7日 有島から取引を持ちかけられる。
9日 Qホテルで有馬を待つが待ちぼうけ。有島はそのまま行方知れず。
10日 金田一狙撃される。実際には命中しなかったが翌日の新聞には狙撃により重体と報じられる。
11日 愛人達を次々に失い、早苗を傍近くに置く。
城妙子の死体が有島忠弘とセットで発見される。
18日 風間邸に忍び込み、欣吾と早苗の情事を目撃。憔悴して帰宅、等々力警部からの伝言を聞いて湯浅朱美の邸宅へ駆けつける。
雨男、金田一の罠に掛かって死亡。
事件解決後、精神病院へ送られる。
10月下旬 金田一、事件のあらましを解説。
晴れて自由の身となった朱美と結婚。
年譜→昭和33年