女王蜂・不死蝶
本格ミステリーであると同時に美男美女のラブロマンスでもある。しかしそれ故に映像化の際にどちらかに傾いてしまってどうにもどこか不完全燃焼になってしまう。
金田一耕助 大道寺智子 多聞連太郎 鮎川マリ(マリーナ・ゴンザレス) 田代
建久9年
12月 頼朝、大道寺家の娘多衣の元に通う?妻政子の嫉妬の嫉妬を買い謀略にあう。
正治元年
正月13日 源頼朝死す。
大道寺一族、政子の嫉妬を恐れ海上へ走り沖の島、後の月琴島へ落ち着く。多衣、娘お登茂様を出産。
昭和3年
神尾秀子、琴絵の家庭教師として招かれる。
昭和5・6年頃
月琴島の大道寺家が頼朝の末裔であると言う話が新聞紙上を賑わす。
昭和6年
秋 速水欣造、月琴島を訪問。
昭和7年
7月 日下部達哉、友人速水欣造と共に月琴島を訪れて大道寺琴絵と結ばれる。
10月末 日下部、琴絵の妊娠を知って月琴島へ向かう。
21日 日下部達哉、月琴島にて不慮の死を遂げる。
速水、日下部の死を知らされて加納弁護士と共に月琴島へ向かう。速水、琴絵の生む子を私生児にしないために名目上の夫婦となり大道寺姓を名乗る。
九十九龍馬、琴絵の結婚に絶望して月琴島を出る。
この年、大道寺鉄馬死去。
昭和8年
春 大道寺欣造、東京帝国大学法学部を首席で卒業。
5月25日 智子誕生。大道寺欣造の長女として入籍する。
昭和10年
大道寺欣造、妾の蔦代との間に男子文彦を設ける。琴絵との子として入籍。
昭和12年
母琴絵が亡くなる。
昭和20年
学徒動員され、特攻隊に志願するも出征前に終戦を迎え生き残る。
昭和25年
秋 仲間との喧嘩で相手をピストルで撃ち、半年ほど刑務所で過ごす。
昭和26年
4月末 大道寺欣造、謎の警告状を受け取る。
5月初め 出所。謎の手紙の指示を受け取る。
休養を計画中に加納弁護士からの依頼状を受け取る。
5月17日 東京を発って修善寺の松籟荘へはいる。
手紙の指示通り松籟荘へ投宿し、大浴場で金田一と出会う。
19日 大道寺氏の使い九十九龍馬と合流。文彦と蔦代母子に加え、智子の婿候補の一人遊佐三郎がライバルを出し抜いて同行する。
20日 九十九に同行して月琴島へ渡る。夕刻に着き、その夜は九十九の実家へ泊る。
実父の終焉の地で怪行者(=九十九)と出会う。
21日 数日前に見つけた鍵で開かずの間に入る。九十九と共に大道寺家に入り翌朝の出発を約束する。19年前の事件について話を聞き、日下部が残した(蝙蝠が写っていると言う)写真を受け取る。
文彦が駒井泰次郎と三宅嘉文に遊佐の抜け駆けについて打電する。
九鬼能成と名乗る怪老人が松籟荘に投宿。
22日 旧知の遊佐三郎と時計台にて密会する。文彦がこれを立ち聞きする。
大道寺氏、駒井・三宅の両青年を伴い(引っ張られて?)松籟荘へ来る。蔦代の実兄井波良平がこれに同行する。
智子を伴って松籟荘へ入る。養父や義弟と対面。
夕食の席で婿候補の三人と対面する。智子へのアプローチに成功。謎の老人の声に促されて多聞連太郎と踊る。
23日 遊佐と駒井、ピンポンのバットで殴りあい。血を見て失神。智子を抱きとめる。
、謎の手紙で呼び出され時計台で殺される。手紙で呼び出され、現場より立ち去る多聞と遭遇する。去り際に智子の唇を奪う。
松籟荘より逃れた九鬼能成、熱海の加納弁護士の別荘へ入る。
24日 文彦、秘密の洞窟で姫野東作の死体を発見する。検視の結果死亡は昨日の3時から4時と推定される。
加納の別荘より熱海駅へ乗り付けた老人の正体が判明する。
25日 満十八才。
27日 帰京。智子を経堂の大道寺邸まで送り届ける。
28日 加納弁護士に経過報告。改めて殺人事件に関する継続調査を依頼される。その後、新日報社の宇津木慎介に衣笠氏の調査と日下部青年が撮った「蝙蝠が映っている」と言う写真の引き伸ばしを依頼する。
30日 宇津木より調査報告を受け取る。写真を持って大道寺邸を訪れる。大道寺氏、引き延ばされた写真の中に姫野東作を見つける。大道寺邸よりの帰り道に襲われ、写真の喪失に気付く。
レッドアウルに届いていた6月6日の歌舞伎座のチケットを受け取る。
31日 見舞いに来た神尾秀子より玄関で落とした歌舞伎座の切符を渡される。
5月おわり 来日。
6月6日 歌舞伎座。三宅嘉文、毒入りのチョコレートを食べて死亡。宇津木と協定を結んで劇場を逃れる。その後衣笠氏に保護される。
数日後 衣笠氏と面談し、その証言により以前のアリバイ調べが覆る。九十九を怪しんで調査に向かう。
同日 九十九を訊ね、実父の死の状況について聞く。九十九龍馬が殺され、すんでの所でその毒牙から逃れる。九十九の死体と眠っている智子を見つける。殺しの嫌疑で警察に拘禁される。
翌日 智子の告白を受け、19年前の事件について本格的な再調査に乗り出す。
再び月琴島へ渡り、現場の再調査を行う。金田一が犯人を指摘しようとした時、神尾秀子が持っていた拳銃で大道寺氏を撃ち殺して自殺する。
同日 智子の祖母槇が臨終。
数日後 神尾秀子の遺書を見つける。
加納弁護士に事件の真相を報告する。
加納の使いとして月琴島へ渡り、智子に求婚する。実の祖父と対面を果たす。
7月10日 矢部杢衛よりの手紙を受け取る。
15日 射水へ出発。
年譜→昭和26年