獄門島(改版)

 「百日紅の下にて」を含む、金田一耕助の復員。

 佐伯一郎 鬼頭千万太 金田一耕助

大正5年頃

 鬼頭千万太誕生。(金田一より4才ほど下) 母は程なくして亡くなる。

大正末か昭和初期

 鬼頭家の次男が海で亡くなり、残された一と早苗の兄妹は本家へ引き取られる。(母親については不明)

昭和2年頃

 千万太の父与三松、嘉右衛門の反対を押し切って、旅の女役者お小夜を後添いに迎える。

昭和3年

 千万太の異母妹月代誕生。

昭和4年

 24歳。未来の妻として育てるべく由美を手に入れる。

 千万太の異母妹雪枝誕生。

昭和5年

 千万太の異母妹花子誕生。

昭和9年頃

 床屋の清公、獄門島へ来る。太閤さんのお気に入りとなる。

 半年ほど後、三姉妹の母お小夜が亡くなり、入れ替わる様に与三松が座敷牢入りする。

昭和10年

 千万太、学校を終えて直ぐに応召。(金田一の中学卒業が昭和6年とあり、4才違いというデータと符合する)

 由美の初経を見てモノにする。

昭和12年

07/07 北京郊外の蘆溝橋附近で数発の銃声がとどろく(蘆溝橋事件)。

11月 千万太、一柳家の殺人事件を新聞で知る。(事件が全国版に載ったとは思えないので、この時期には実家に居たものと思われる)

昭和16年

 配置換えで大陸より一時引き揚げ。装備の変更から南方への移動を推理する。(「GEN」@井沢元彦)

夏の初め 召集令状を受け取る。4人の友人に由美を託す。

12月8日 真珠湾攻撃により太平洋戦争開始。千万太の再応召もこの前後か?

 獄門島の網元の一つ巴屋没落。巴屋の娘お志保、分鬼頭の儀兵衛の後添いとなる。(お志保は千万太、あるいは一に惚れていたと言われる)

昭和17年

春 左足を失い召集解除となり帰国。その一週間後に由美が服毒自殺する。

昭和18年

01/02 ニューギニアのブナで日本軍が玉砕する。

 残存部隊の再編で金田一と知り合う。

春 由美の一周忌。由美を自殺に追い込んだ犯人と目した川地を毒殺しようと目論むが、誤って五味がそれを飲む。事件は五味の自殺として処理された。

 ニューギニアの戦地(おそらくラバウル基地)にて川地と知り合う。

暮れ ラバウル基地孤立。占領に際し頑強な抵抗が予想されるため包囲状態に止めおかれた。

昭和20年

08/15 終戦。

 鵜飼章三、故郷の但馬へ帰るが、一月も経たない内に分鬼頭を頼って舞い戻る。

10月 本鬼頭の太閤さんこと鬼頭嘉右衛門、死去。享年78才。

この年 お志保が子供を産む。儀兵衛の養子になっていた先妻の甥が追い出される。

昭和21年

8月 復員船の中で病死。戦友金田一に妹たちを頼む。

9月始め 市ヶ谷八幡の佐伯邸跡にて佐伯一郎と邂逅。

9月下旬 獄門島へ渡る。

10月2日 床屋で髪を刈る。親方から島の情報を仕入れる。鵜飼章三と遭遇。鬼頭千万太の戦死公報が来る。

 5日 鬼頭千万太の通夜が行われる。花子行方不明となり、千光寺の梅の木に逆さ吊りで発見される。

 6日 清水巡査、海賊探索中の磯川警部と会い、金田一について注意を受ける。金田一、磯川の健在を知って涙する。

 清水巡査、金田一の態度を怪しみ、留置場へ閉じこめる。

 7日 雪枝の死体が釣り鐘の下から発見される。

 月代、祈祷所で殺害される。

 9日 金田一、犯人を指摘する。

秋 獄門島の帰り、岡山で「本陣殺人事件」を執筆連載中の作者の元を金田一が訪ねる。

年譜→昭和21年