忍び組頭列伝 外伝・弐 天草一族
天草扇千代(初代)
天草一族は肥後天草島を支配する国人衆であったが、秀吉の九州征伐の後この地を与えられた切支丹大名小西摂津守行長によって滅ぼされた。
扇千代は最後の当主伊豆守の孫で、島原の乱に際して幕府方に味方してお家再興を目指した。異国に逃れていた小西摂津の孫ルチア不知火姫(母が摂津守の娘、父は南蛮人)と死闘を演じる。
木山小金吾
祖父弾正は加藤清正と一騎打ちを演じて敗れた。清正の十文字槍を折って片鎌槍にしたという。
志岐刑部
天草一族遺臣の中心人物。松平伊豆守の側に使えて天草一族再興のために知恵を絞る。
登場作品 「不知火戦記」
天草扇千代(二代目)
天草一族の嫡孫。島原の乱時十二才とある。
兄が不知火姫の身代わりで死んだ為、弟が名前ごと継承したと考える。
伊豆守の陣営に現れた天草一族がことごとく忍びの術にたけているとあるので、伊賀へ入ったのは滅亡後間もなくであると考えられる。
乱後十二年を経て改めて伊豆守への奉公を申し出る。
十四人の家臣と共に法王の聖貨の鍵を握る十五童女を巡って由井正雪旗下の甲賀忍者と三つ巴の死闘を演じる。
登場作品 「外道忍法帖」
天草周防守
天草不知火藩七万七千石の大名。よって厳密には忍び組頭ではないが。
天和三年時三十九才。世嗣も兄弟も無し。
公儀を追われた伊賀忍者を影武者に立てて領内を観察する。
寛永・慶安の二度の奮戦の甲斐あってか大名として再興したらしいが、彼のいたずらが害となり取りつぶしとなる。
登場作品 「忍法双頭の鷲」