編集後記

 まず、年代が明記、あるいは作中から確定出来る物を優先的に抽出。(第一版)

 出版芸術社より出版された補遺集三十編を追加検証。この中には現行作品群(春陽文庫版百五十編)と年代的な矛盾を生じているものもある。具体的には佐七のデビューを描いた「羽子板娘」が文化十二年(それ以外に佐七の生年もここに明記)とされているのに対し、それ以前に設定された作品がある。これらについては現行作品の年代を優先して年代補正を行った。(第二版以降)

 また武江年表より主に天候記録と火災事例を記載し、年代特定の参考資料とした。事件同士の前後関係(滅多にないが)を破壊しない限りにおいてこれら史実データを利用した。(第二・三版以降)

 年表が大きくなったので、一家の解散・復活を基準に前後期に分割。これを一つの基準として、例えばお粂の嫉妬エピソードやこのしろ吉兵衛の登場などは前期に集中して配置した。これ以外にも佐七の行動についてはその成熟度(浮気性や推理ミスの減衰等)を加味して前期後期を決定している。(第二版以降)

 お粂・お源・茂平次等のサブキャラクターの反応を年代確定の一つの基準とした。お源については、後期はやや病気がちであり、茂平次は佐七の成長と共に彼を軽視侮蔑する発言が減っていく。(と仮定する)

 海老床に絡む事件を事件簿として抽出し年代確定済み。残念ながら作品間の前後関係を確定する要素とは成らなかった。(第四版・第五版)

 神崎甚五郎を中心に南町の与力・同心が登場する事件を抽出。多すぎて躊躇していたもの。佐七に対する神崎の信頼度は徐々に高まっていったと推定される。これは見方を変えれば佐七の発言力・影響力の強化とも言える。(第五版)

 旧暦だと一年の長さが一定でなく、それ故に月日と節気が微妙にずれる。その典型が立春で、一年に二回あったり、逆に一度も無い年もある。と言うわけで今後の目印として立春の日を年表上に書き込んでおく。(第五版)

 大名旗本関係は抜き出して纏めてみました。寺社絡みは少ないので取りやめ。春(一月から三月)、夏(四月から六月)、秋(七月から九月)、冬(十月から十二月)として微調整。

 とりあえず穴埋め完了。「瓢庵先生捕物帳」を入手したら再検証するかも。

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