南町奉行所捕物控

 

 与力神崎甚五郎以下南町奉行所の面々が関与した事件を纏める。また本来関与すべきでない寺社絡みや、神崎から頼まれた旗本家中のお家騒動。果ては将軍様直々のお召しなども紹介。

 佐七は単独で動いて事件を内証に済ませている例も多い。と言うか出てくる前に片付いてしまった事件が実に多い。

文化十二年

「嘆きの遊女」

春 飛鳥山を手先を連れて出回り中。事件に遭遇した佐七と合流。

「山雀供養」 (お粂との結婚後の初仕事)

 佐七を召して叱咤。紫頭巾の予告状を見せる。

「通り魔」

五月 南町奉行所に通り魔が現れ、若党河野三平が殺害される。

* この話は”名奉行”でないと成立しない。元稿では遠山佐衛門尉だが、この年代ならこれに代わりうる”名奉行”根岸肥前守が在任している。 

「山形屋騒動」

梅雨時 佐七が捕らえた娘が下手人ではないと聞かされ、保護を頼まれる。 

「三本の矢」

川開きから二日目 兵頭静馬の島抜けについて佐七に告げる。

「犬娘」

九月 大失態の佐七を前に自説を展開。

「幽霊山伏」

師走 槍突き事件。神崎の助言、珍しく当たる。

文化十三年

「からくり御殿」

春 報恩閣事件。

「音羽の猫」

 吉兵衛とともに待機。

「名月一夜狂言」

八月十五日中秋の名月 佐七・辰を伴って元勘定方結城閑斎邸での月見に参加。尾上新助殺害について犯人の自決により不問に付す。

文化十四年

「ほおずき大尽」

七月 佐七を呼び出して事件の解決を厳命。(まだ若くて信頼が無いか)

「鳥追い人形」

八月 豆六、筆頭同心藤井勘左衛門を手玉に取る。

「稚児地蔵」

九月 朋友・鵜殿源八郎より主家の騒動について相談を受ける。別方面から事件を捜査していた佐七より相談を受けて共に出動し事件を解決する。

文政元年

「振袖幻之丞」

夏 心中未遂の片割れ幻之丞を役宅に引き取って保護。幻之丞が恩義ある内藤家の係累と知って引き渡しに同意するが、その直前に殺害される大失態。

文政二年

「まぼろし小町」

春 事件が長期化し、矢のような催促をかける。

「生きている自来也」

八月 自来也の再登場につき佐七と相談する。

「捕物三つ巴」

秋 佐七を召して長崎通詞鵜飼高麗十郎と推理勝負をさせる。

「たぬき汁」

九月 榊原家の毒殺事件について佐七に調査を依頼。(旗本屋敷内の事件なので奉行所の管轄外)

文政三年

「からかさ榎」

二月 (昨年末の)印籠屋万右衛門失踪に関して、辰と豆六の独断で捕物に動く。

「血屋敷」

 佐七のいつにない手ぬるいやり方に業を煮やすが、佐七の”趣味”に付き合う。

「蝶合戦」

晩春 贋金つくりの一味について佐七と相談。

「五つめの鍾馗」

四月 甲府へ出張中。緒方十右衛門を佐七に紹介する。

「影右衛門」

夏 佐七を呼び出して盗賊影右衛門を捕らえるように叱咤。

「狼侍」

九月 金座を巡る不正について勘定奉行より情報を受け、佐七に知らせる。佐七はこの情報から藤間丹波の偽装自殺を疑う。

文政四年

「非人の仇討ち」

初鰹の頃 宮川左近殺害事件。佐七に一任。

「好色いもり酒」

九月 薬研掘笹井家で毒殺未遂。解決に行き詰まり、佐七を呼んで検討するも結論は出ず。

「黒蝶呪縛」

十月 花嫁喪失事件への対応について佐七と打ち合わせ。

文政五年

「屠蘇機嫌女夫捕物」

正月 沢井玄徳とめかけのお夏ごろし。茂平次に先を越された佐七を呼び出して絞るが、後日佐七によって真犯人が挙げられる。

「女難剣難」

桜も散って若葉の頃 同心野口伝八、現場に先着。

「狸御殿」

五月 勝田源之助の依頼を受けて、佐七にたぬき御殿について調査を命じる。(佐七も別方向から事件に関与)

「石見銀山」

秋 日頃から佐七を買っている寺社同心寺尾玄蔵から出馬を懇望される。

「恋の通し矢」

秋彼岸の中日 寺での通し矢の子弟対決での毒殺事件に居合わせる。寺社同心(名前不明)から事件を任される。

「仮面の若殿」

十一月半ば 佐七に土岐家の若殿の捜索を依頼する。

文政六年

「身代わり千之丞」

 勝田主水の身代わりに気付く。佐七も知らぬその後について語る。

 

文政八年

「銀の簪」

 幕政の”改悪”が終わり、元の職に戻る。

「怪談五色猫」

夏 剣友・安西新八郎を佐七に引き合わせる。(内容が旗本家のお家騒動のため自身では手が出せず)

「八つ目鰻」

八月下旬 茂平次が解決した池の端中町の隠居殺しについて佐七に再調査を命じる。

文政九年

「日食御殿」

正月 将軍家斉の下命で佐七を引き合わせる。

「新春笑い薬」 

小正月 佐七を招く。(先の「日食御殿」の一件への慰労?)

「凧の行方」

春 勘定方初鹿野主膳の若様の失踪について佐七に相談する。

「百物語の夜」

夏の終わり 佐七らと共に隠居の旗本・篠崎鵬斎の百物語に参加。鵬斎の自害を頓死として処理。宝井喜三治の殺害を自身の無礼討ちとして処理する。

文政十年

「梅若水揚帳」 

 佐七の頼みで水揚帳を見せる。

「神隠しばやり」

一月末 同心岡部三十郎、現場に先着。(佐七と共に働くのは始めてかも)

「お俊ざんげ」

春 佐七が掴んだ金座の不正に関して勘定奉行と共同で大捕物となる。

「睡り鈴之助」

三月 佐七を召して非人頭善七と引き合わせる。

文政十一年

「福笑いの夜」

 正月八日 顔なじみの同心岡部三十郎が現場に先着。

 翌日 岡部が連れてきた寺社同心服部とともに善祥寺を探索し、二体の死体(一つは生首とついになる首無しのもの)を発見する。

「鼓狂言」

二月末 将軍の要請で佐七を大奥に送り込む。外から捜査協力。

「すっぽん政談」

 月形屋と花形屋の騒動。佐七と秘密の打ち合わせ。

 事件解決後、奉行の仲裁で両家が縁組を行う。

「丑の時参り」

夏の晩 神崎、杉の森神社で血刀を下げた十六夜お小夜を捕らえる。

 お俊、処刑の前に牢死。死骸の首が曝される。実は佐七の入れ知恵による偽装工作。 

「笛を吹く浪人」

初秋 神崎の碁敵鵜飼弦次郎の許嫁奈津女が非業の死を遂げる。

「妙法丸」

浅草の年の市の頃 現場に居合わせた辰と豆六を尋問に立ち会わせる。

文政十二年

「万歳かぞえ唄」

正月 佐七を火急の呼び出し。伏見奉行所からの手配について告げる。

 佐七の報告が南町から評定所へ上がり、隠密が伏見へ向かう。

「猫屋敷」

七月 仙石十太夫を佐七に引き合わせる。(その後の展開には職務上関与出来ず) 

「嵐の宿」

秋 死体発見現場に岡部三十郎が先着。

文政十三年

「いなり娘」

三月 御金蔵から奪われた四千両を奪還。

「猫と女行者」

 京の公家の娘といわれる女行者の探りを佐七に命じる。

十二月 女行者立花左京が殺害され、その調べを佐七に一任。

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