時代劇RPGのコンセプト論(仮)

壱 二刀流の再現

 二刀流と言えば宮本武蔵である注1が、武蔵の剣が剣術の主流にならなかったのはその扱いが難しいからであろう。その意味でRPGで扱われる二刀流には様々な規制を設けられている。二刀流の導入に際してまずは既存のRPGにおける扱いについて検証したい。

既製品

 古いRPGでは二刀流は余り考慮されていなかったが、現行のD&D(実体はAD&Dの直系であるが)では大きなペナルティと引き替えに両手に武器を持つことを認めている。逆腕の武器は小型のモノが推奨され、両手利きの特技により左右のハンデは無くなり、二刀流の特技によりペナルティは多少改善される。しかし、D&Dで特出すべきなのは双頭武器だろう。これについては後で改めて取り上げる。

 ベーシックロールプレイング(以下BR)の系譜を受け継ぐストームブリンガー(以下ストブリ)では、両手に武器を持つことそのものにはペナルティは無い。但し同じ武器でも扱う手によって異なる技能とされる。要するに二つの武器を同時に扱うと言うことは二つの技能を同時に用いるコトに等しい。ストブリは武器よる受け流しが存在するので例えば左の武器で攻撃を払いつつ右手の武器で攻撃と言った如何にも二刀流らしい行動が可能である。

 新版のウォーハンマー(以下WH)でも二刀流が導入された。但し、D&Dのようなペナルティはないが、逆腕武器による追加攻撃も無い。WHでは楯も受け流し用の武器として扱われ、利き腕での攻撃と逆ででの防御と言う分業が行われている。

私案中

 さて以上を踏まえてのオリジナルのシステムであるが、右手利きをデフォルトとし、特殊な状態として左利きを選択制とする。武家の作法というのは基本的に右手で行うことを基本とするらしいので、左利きのキャラクターは(矯正も考慮して)”左手も使える”と認識される。つまり実質的に両手利きを意味するのだが、両手利きと違って必ずしも器用だとは限らない。ボクシングなどでもそうだが、左利きの攻撃は変則的で受け難いものとされる。

 注1:より正確には日本刀を片手で扱い、片手を空けておくと言うのがその真意らしいが。

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